ワイドスパン
わいどすぱん
ワイドスパンとは、広い間口のことです。
ワイド
スパンとは、建物の
柱や壁の幅が広いことをいいます。マンションでは、南向きの
間口が広いタイプをいい、一般的には
バルコニーに面した
間口が7~8m以上の住戸をワイド
スパンと呼んでいます。
マンションのような集合住宅では縦長の間取が多くなりがちですが、ワイド
スパンの住戸は南側に
窓を広く取れ、
採光や通風がよいので、人気の高いタイプです。また、南面にLDと居室2室を配置することも可能です。
最近のマンションでは、ワイド
スパンを生かした
ハイサッシ窓など、光や眺望を十分に堪能できるものもあります。メリットの多いワイド
スパンですが、
開口部が広いため
窓の断熱性能によっては冷暖房費がかさむこともあります。また、壁面が少ないので、家具の配置などにも工夫が必要です。
ハイサッシ
ハイサッシは、主にリビングに使われます。部屋を広く見せたり高級感を演出したりするという効果があるだけでなく、採光性や通風、眺望にも優れており、建物の構造にも良いというメリットがあります。
ハイサッシは通常、部屋内に梁が無い状態です。そのため、窓の大きさだけでなく、梁の分で部屋が広く見えるのです。しかし、マンションなどでは、窓の上部に梁が張り出しているのが一般的です。したがって、通常ハイサッシを使うことはできません。そこで、外観的にも性能的にもメリットが多いハイサッシを使用する為に、逆梁工法によって天井から梁を無くすという選択肢もあります。これによりマンションでもハイサッシを導入できるようになり、様々なメリットを享受できるようになっています。
ただし、ハイサッシにもデメリットは存在します。まずは、窓が大きく掃除が大変になります。また、全体的に部屋の天井が高くなる傾向にあり、照明器具の取り換えも面倒なものになります。さらに、ハイサッシ用のカーテンは基本的には無い為、オーダーしなければならないなど、メンテナンス面やコスト面が課題です。
スパン
スパンとは、建築用語では、建物を支える支柱と支柱の距離をいいます。スパン(Span)という言葉は、親指と小指を張った長さから9インチを意味します。そこから転じて、期間、範囲、全長、梁間(建築用語)、翼長(航空用語)などの意味を持ちます。
マンションの広告でスパンというとき、南に面した窓のあるほうの間口の長さをいいます。その長さが広いものをワイドスパンといい、採光、通風の良さがアピールポイントとなります。
ただし、スパンが広くない縦長マンションも、居室の独立性を確保しやすいことや、居室の奥行きを利用した使い方ができるなど、ワイドスパンの横長マンションとは異なるメリットもあります。
バルコニー
バルコニーとは、マンションなどの屋外に張り出した床のことです。
室内空間の延長として、掃き出し窓などの先に設けられ、屋根や天井はなく、手すりが付いています。上階のバルコニーが屋根の代わりになります。バルコニーは広さや用途によって、アウトドアリビングとして活用できる「リビングバルコニー」や、コンパクトで室外機置場やゴミ置場などに利用される「サービスバルコニー」などがあります。また、階下の屋根を利用した広い「ルーフバルコニー」もあります。
分譲マンションの場合、バルコニーは共用部分に属します。居住者だけが使用できる専用使用権はありますが、改造したり、物置などの固定物を設置することはできません。バルコニーは消防法で、緊急時の避難通路とされています。そのため、避難時の障害にならないように管理規約等にはバルコニーの使用制限が定められています。
採光
採光とは、自然の光を窓などから室内に取り入れることをいいます。建築基準法では、住宅の居室について、居室の床面積の1/7以上の採光に有効な開口部の面積が必要と規定されています。ただし、「採光」とは直射日光のことではないので、北側の窓が「採光に有効な窓」となる場合もあります。有効な採光面積は、用途地域や部屋の大きさ、窓の大きさによって決定されます。ただし、納戸やトイレ、浴室、洗面室などは対象となりません。
隣家が迫っている住宅密集地などでは、採光を確保するために、天窓やライトコートを設けるなど、さまざまな工夫が見られます。また、日当たりを調節するには、カーテンやブラインド、反射ガラスなどを利用します。
柱
柱とは、建物の軸組みで、土台に対して垂直に立てて、屋根や床の荷重を土台や基礎に伝えるものです。木造軸組工法やラーメン構造では、梁などとともに建物を支える最も重要な部材です。
柱の太さは、柱の位置や部屋の大きさ、支える重さによって決めます。木造2階建て以上の場合には、土台から軒まで通った継ぎ目のない「通し柱」が建物の四隅に使われます。「通し柱」は、上下階を構造的に一体化させて耐震性を高めるために重要なものです。各階ごとに梁や胴差しなどで区切られた柱を、「管柱(くだばしら)」といいます。「管柱」も各階の荷重を受ける構造体です。このほか、柱と柱の間に壁の補強のために入れる柱を「間柱(まばしら)」と呼びます。また、壁に取り付けた装飾用の柱を「付け柱」といいます。
間口
間口とは、敷地や建物を正面から見た幅のことをいいます。これに対して、敷地や建物の長さを「奥行き」といいます。間口は、一戸建ての場合には、道路に面した側をいい、マンションなどの場合には、リビングやバルコニーのある側を指します。
間口が広いと、通風や採光を確保しやすいため、同じ面積では間口が狭くて奥行きが長いものより割高となるのが一般的です。ただし、間口が広ければいいというものではなく、奥行きとのバランスが重要です。間口が広いと、外からの視線を遮ることも考慮する必要があります。
黄金比といわれる1:1.618(およそ5:8)や1:1.5などはバランスがよく、使い勝手がよい配置がつくりやすいといわれています。
窓
窓は、採光、通風、換気、眺望などのために設けられる開口部です。風通しや断熱性など、窓の機能は四季を通じた室内の快適性に大きく影響します。また、外観デザインや室内空間、窓からの眺望など、ビジュアル面でも窓の役割は重要な要素となっています。
窓の種類は、取り付けられる位置により、次のような分類があります。
・掃き出し窓・・・・・窓枠の底辺が床面近くまである窓。リビングなどに設けられる大型の窓をいいます。
・腰高窓・・・・・窓枠の底辺が腰ほどの高さにある窓。
・出窓・・・・・建物の外に張り出す形で設置する窓。
・天窓・・・・・天井に設置する窓。トップライトともいいます。
また、開閉方法による分類では、次のようなものがあります。
・引き違い窓・・・・・横に引いて開け閉めする窓で、日本では最も一般的な窓です。
・はめ殺し窓・・・・・開閉できない窓です。フィックス窓ともいわれ、採光のために設けます。
・外開き窓・・・・・外に向かって開く窓で、片開きと両開きがあります。
・内倒し窓・・・・・室内に向けて倒れるように開く窓です。
そのほか、「回転窓」「滑り出し窓」「上げ下げ窓」「ルーバー窓」など、多彩な種類があります。
また、サッシやガラスの素材も豊富で、それぞれに性能や特徴があります。
開口部
開口部とは、建物の壁などに設けられた窓や出入口など屋外や室外に向かって開かれた部分です。リビングや居室の窓、天窓、玄関や室内ドアなどをいいます。
開口部は、採光、換気、通風、眺望、通行などの役割があります。床面積に対して一定以上の開口部がなければ、居室と呼べません。
開口部の位置や広さは、建築物の躯体強度に影響するほか、通風や採光などの居住空間の快適性や断熱性なども左右します。また、リビングに大きな窓を設けて眺望を楽しんだり、隣家との距離や視線を考慮して開口部の位置や高さを工夫するなど、室内からの視界、外部からの視線なども考慮することが大切です。
また、出入口として使用する開口部は、開閉に必要なスペースや開閉時の安全性なども考慮されます。