瑕疵担保責任
かしたんぽせきにん
瑕疵担保責任とは、住宅の完成引き渡し後に欠陥が見つかった場合に、売主または建築業者が責任を負うものです。
瑕疵担保責任とは、建物の引き渡し後に欠陥が見つかった場合に、
売主が買主に対して負う責任をいいます。
契約や引き渡し時には分からなかった隠れた瑕疵欠陥が発見されたとき、一定の期間内であれば契約の解除や損害賠償、修繕・補修を請求できます。瑕疵とは、
不同沈下や雨漏りなどの土地や建物の物理的欠陥に加え、
接道義務違反などの法的欠陥、自殺物件などの心理的欠陥も意味します。請求できる期間は、売買であれば、民法上は「欠陥の発見後1年以内」となっています。
新築住宅については、基本構造部分について、
品確法によって瑕疵担保責任期間が10年間に義務付けられました。また、保証を実行できるために、住宅瑕疵担保履行法によって瑕疵保険への加入などが義務付けられています。
接道義務
接道義務とは、都市計画区域および準都市計画区域内に建築物を建てるときは、その敷地は、幅員4m(特定行政庁が必要と指定する区域内では6m)以上の道路に、2m以上接していなければならないと、建築基準法で義務付けられているものです。
この場合の道路とは、公道または特定行政庁から位置の指定を受けた私道「位置指定道路」などで幅員4m以上のもののほか、幅員4m未満の道で特定行政庁が指定した「みなし道路」などをいいます。「みなし道路」の場合には、敷地境界線から建築物を後退させて建てる「セットバック」が必要となります。
なお、中古物件などの不動産広告で接道義務違反の土地は、「再建築不可」または「建築不可」と表示しなければなりません。
品確法
住宅の品質や性能の確保を目的に、2000年に施行された法律です。正式には「住宅の品質確保の促進等に関する法律」といいます。
品確法は、「瑕疵(かし)保証」「性能表示」「紛争処理」の3本柱からなります。住宅の品質を高め、住宅購入者の利益を保護し、トラブルを迅速かつ適正に解決するために制定されました。「瑕疵保証」は、新築住宅の基本構造部分等の瑕疵担保責任期間を10年間と義務付け、瑕疵担保責任の充実化を図りました。「性能表示」は、評価基準を定めて、登録評価機関が検査と評価を行うので、客観的に比較検討できます。「紛争処理」は指定住宅紛争処理機関の活用により、裁判に至らずに迅速な解決が可能になりました。
不同沈下
不同沈下とは、地盤や建物の基礎が、場所によって不均一な沈下が生じることで、これによって建物に亀裂が入ったり、基礎の破損や建物が傾くなど、大きな被害が発生することがあります。
不同沈下では地盤の沈下が水平でないため、建物が傾くと部分的に荷重が加わり、ねじれによって損傷を受けたり、柱や梁など構造にも影響を及ぼすことがあります。
不同沈下の原因には、軟弱地盤に荷重の偏った建物が立っている場合、造成地における切り土と盛り土の境界などで十分に締め固めできていない場合、建物の下の軟弱地盤の厚さが一様でない場合、雨水や地下水の浸透や汲み上げで地盤が動く場合などがあります。
不同沈下は建物倒壊の危険もあるため、地盤補強工事などの対応が必要です。
売主
売主とは、不動産取引においては、土地や建物などの不動産を売る個人または法人をいいます。購入者にとっては、売買契約を結ぶ相手です。
新築マンションや開発分譲地、建売住宅などでは、デベロッパーや不動産会社などの法人が売主となっているのが一般的です。その場合には、売主または代理会社は宅地建物取引業者であり、取引に際しては、手付金の保全義務やクーリングオフの制度などで消費者が守られています。また、仲介手数料も発生しません。
一方、中古物件では、売主は個人のケースが多くなります。その場合は、一般的に不動産会社が「媒介」することになり、仲介手数料が発生します。
まれに、登記上の所有者と売主が異なる場合、所有者の代理人が売主になっている場合、売買契約に売主ではなく代理の人が立ち会う場合などがあります。そのような例外的なケースでは、契約の前に本人確認や委任状の確認が重要となります。