住生活基本法
じゅうせいかつきほんほう
住生活基本法とは、2006年に施行された、日本の住宅政策の転換を示す法律です。
住生活基本法とは、国民に住宅を供給することを目的としていた「住宅建設計画法」に代わって、2006年に施行された新法です。全国レベルの住宅供給数は世帯数を上回っており、それまでの「数の充足」から「質の充足」へと大きく目標を転換したものです。
住生活基本法は、
(1)良質な住宅ストックの形成および将来世代への継承
(2)良好な住環境の形成
(3)国民の多様な居住ニーズが実現される住宅市場の環境整備
(4)住宅の確保に特に配慮を有する者の居住の安定確保
などが基本的施策として掲げられています。
この法律に基づいて、2009年には「
長期優良住宅の普及の促進に関する法律」が施行されました。また、住宅の長寿命化を象徴するものとして、「
200年住宅」が提唱されています。
長期優良住宅
長期優良住宅とは、国の基準に基づいて、長寿かつ優良と認められた住宅のことです。2009年に「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」が施行され、国が定めた認定基準をクリアしたものを「長期優良住宅」と認定します。
認定基準は、劣化対策、耐震性、維持管理・更新の容易性、可変性、バリアフリー性、省エネルギー性、居住環境、住戸面積、維持保全計画の9項目で構成されています。これに加えて、住宅履歴の保管・管理も求められます。
長期優良住宅に認定されると、減税などの優遇措置を受けられるなどメリットは少なくありません。また、ハウスメーカーなどでは自社の技術水準を示す方法の一つとして取得するなど、認定数は拡大しています。住宅の品質やアフターサービスの充実度を判断する上で、有効な指標として定着してきているようです。
200年住宅
200年住宅とは、100年住宅を上回る超長期の住宅のことです。2006年に制定された「住生活基本法」がめざす住宅の長寿命化において、そのシンボルとして「200年住宅」が提唱されました。
それまでの日本の住宅は30年ほどで建て替えられており、欧米と比べて極端に寿命が短くなっていました。それに対し、スクラップ&ビルドによる資源の大量消費ではなく、ストックを大切にしようという方向性が打ち出され、官民挙げて住宅の長寿命化への取り組みが始まりました。
200年住宅は、耐久性のあるよい住宅を作り、手入れをして長持ちさせ、数世代にわたって住み継いでいこうというものです。そのため、耐久性に加えて、設備や間取りなど比較的短い期間で交換や変更が必要となるものについて、補修・変更のしやすさも求められます。広く市場に流通して、さまざまな人に住み継がれることを目指しており、維持管理の履歴情報の整理・保存が重要となります。
200年住宅に代表される長期優良住宅については、返済期間が最長50年となる「フラット50」が利用できます。また、減税措置など優遇制度もあります。