L値
えるち
L値とは、上階の物音が下階で聞こえる大きさを表す指標です。
L値とは、床衝撃音が階下でどの程度聞こえるか、音の大きさを表す指標です。
床衝撃音とは、人が歩いたり、床に物を落としたりしたときに、床の振動によって階下に伝わる音です。建物の構造によって伝わり方が異なります。
床衝撃音は2種類に区別されます。人が歩く、子どもが走る、などで発生する重くて鈍い音を
重量床衝撃音といい、LHで表示します。スプーンを落とすなど物が落下した音や、椅子などを引きずるなどの軽くて高い音を
軽量床衝撃音といい、LLで表します。
L値は、数値が小さいほど遮音性能が優れています。
軽量床衝撃音
軽量床衝撃音とは、上階の床にスプーンなどを落としたり、スリッパで歩くときなど、比較的軽くて高い音が響いてくるものです。
床の遮音性能は、LL値で表します。タッピングマシン(軽量床衝撃音を測定するための音源器具)などで床を叩く音が階下の部屋で聞こえる音量を測定します。
LLは数値が小さいほど、遮音性に優れています。
住宅性能表示制度による等級では、LL-60相当(等級2)がやや低い遮音性能、LL-55相当(等級3)が基本的な遮音性能、LL-50相当が優れた遮音性能、LL-45相当が特に優れた遮音性能、と定められています。
なお、遮音対策には、二重床にするなどの構造的な対策や吸音性の高いカーペットを敷くなどの方法があります。
重量床衝撃音
重量床衝撃音とは、上階で子どもが飛び跳ねているような、ドスンといった鈍くて重い音です。
床の遮音性能は、LHで表します。LHの測定は、タイヤを所定の高さから落としたときに階下で聞こえる音量を測定します。
LHは数値が小さいほど、遮音性に優れています。
住宅性能表示制度による等級では、LH-65相当(等級2)がやや低い遮音性能、LH-60相当(等級3)が基本的な遮音性能、LH-55相当(等級4)が優れた遮音性能、LH-50相当(等級5)が特に優れた遮音性能、と定められています。
重量床衝撃音は、床スラブの厚さや工法などで大きく異なります。床の構造を強くすることや、二重床、浮き床工法など、構造的な対策を講じることが重要です。