切り土
きりど
切り土とは、傾斜地を造成するときに、斜面を削って平らにした土地です。
切り土とは、傾斜地を
宅地造成するときに、斜面を削って平らな
敷地にする造成です。もともとの地面を削るので、地盤の強度は維持されるといわれています。
また、
宅地造成では、切り土で出た土を
盛り土に使うことも多いようです。
切り土の場合も、高さが2mを超える崖が生ずる場合は、
宅地造成規制法によって規制区域内の工事には都道府県知事の許可が必要です。
豪雨や豪雪による落石や崖の崩壊などに対して、切り土がどの程度の安全性をもつかは、土壌の質や形状、
擁壁の状況によって異なります。
敷地
敷地とは、建物が立っているか、これから建物を建てる土地のことです。敷地面積は、その土地の面積のことで、水平投影面積をいいます。水平投影面積とは、土地や建物を真上から見たときの面積で、傾斜や凹凸があっても、水平として測定した面積になります。
敷地面積には、登記簿に記載された登記簿面積(地積)と実測面積が異なっている場合があります。そのため、土地の売買契約などにおいては、土地家屋調査士などの専門家による実測をしてからというのが鉄則です。
なお、住宅を建てるために土地を購入するときには、接道条件などによっては、土地面積の一部が敷地面積に算入できないので、注意が必要です。また、敷地面積だけでなく、建物の配置や駐車場のスペースなども考慮しましょう。
宅地造成
宅地造成とは、農地や牧草地、森林などの宅地以外の土地を宅地にするために、土地の形や性質を変えることです。既に宅地となっている土地を、宅地として形質を変える場合も含みます。
宅地造成は傾斜地などで行われることも多く、崖崩れや土砂の流出による災害を防止するために、宅地造成等規制法が設けられ、規制区域内の一定の宅地造成については都道府県知事の許可が必要となっています。規制の対象となる宅地造成は、「切り土で、高さが2mを超える崖を生ずる工事」「盛り土で、高さが1mを超える崖を生ずる工事」「切り土と盛り土を同時に行うとき、盛り土は1m以下でも切り土と合わせて高さが2mを超える崖を生ずる工事」「切り土、盛り土で生じる崖の高さに関係なく、宅地造成面積が500m2を超える工事」のいずれかに該当するものです。
許可には、擁壁や排水設備、地滑り防止設備、地盤の安定などについて技術水準が定められています。
また、宅地造成等規制区域外に対しても、宅地造成に伴う災害の危険があるものには、都道府県知事は「造成宅地防災区域」に指定することができます。この区域に指定されると、災害防止のための擁壁設置義務などの規制を受けます。
擁壁
擁壁とは、切り土や盛り土をした斜面に、土の圧力で土砂が崩壊しないように斜面を補強した壁です。擁壁が十分に強固でなければ、長雨や地震などで土砂が倒壊する危険性があるため、擁壁については建築基準法などで細かな規定が設けられています。
擁壁のタイプには、練石積み・コンクリートブロック積み擁壁、重力式コンクリート擁壁、鉄筋コンクリート擁壁があります。これらの擁壁は、土の圧力に耐える構造に加え、強度を維持するために、水はけや水抜きが適切に行われるよう水抜穴(3m2に1ヶ所以上・内径75mm以上)などが設置されています。
擁壁の強度については、問題が生じていないかチェックすることが重要です。擁壁上の排水が良好か、水抜穴のつまりや破損はないか、ひび割れや不同沈下(ふどうちんか)、擁壁のふくらみ、傾斜などを観察し、異常が見られたら、早めの対策が必要です。
盛り土
盛り土とは、傾斜地や低地を宅地造成するときに、土砂を盛って平らな敷地にする造成です。宅地造成には、斜面を削って平らにする「切り土」と、古い地盤の上に土を盛って平らにする「盛り土」があります。「切り土」の地盤は比較的安定していますが、「盛り土」は十分な締め固めができていないと、地震や大雨などで地盤が緩み、地滑りや液状化を起こす危険があります。また、建物の重さによって不同沈下を起こすことがあります。
過去の災害でも、「盛り土」での被害は少なくありません。宅地造成規制法によって規制区域内の宅地造成には都道府県知事の許可が必要ですが、同法が施行された1962年以前の造成については規制がありません。
なお、大規模盛土造成地について情報公開している自治体もあります。敷地の安全性を確認する上では、不動産会社や自治体に問い合わせることも、一つの方法です。
地盤の強度が不十分であれば、地盤改良工事が必要となります。