アスベスト
あすべすと
アスベストとは、石綿のことで、かつては建築物に多用されましたが、健康被害のために現在は禁止されているものです。
アスベストとは、天然の鉱物繊維で石綿とも呼ばれます。アスベストは、発がん性などの原因となるため、現在では原則として製造・使用が禁止されています。
アスベストは微細な繊維で、耐熱性や耐摩耗性、耐火性、防音性、絶縁性などに優れています。また、安価で加工しやすいものです。そのため、建材や工業製品など生活のさまざまなところで多用されてきました。建材では、吹き付け材、保温・保湿材、スレート材などとして、住宅の
屋根や外壁、
内装、配電盤などの電気絶縁板、
配管などにくまなく使用されました。しかし、目に見えないほど微細で、飛散すると空気中に浮遊しやすく、人体に滞留すると肺がんや悪性中皮腫の原因となります。
現在では新築時のアスベスト使用は禁止されています。また、建築物を解体する際にはアスベスト使用の有無を調査し、使用されている場合には都道府県への届け出や飛散防止のための作業基準の順守などが義務付けられています。
内装
内装とは、建物における内部の仕上げや室内の装飾、付随する設備などをいいます。床や天井、壁などの仕上げや装飾、室内の扉、家具、キッチンなどの下地や仕上げ材、造作建具、照明などを指します。
内装に用いる建材や仕上げ材などは、製品によって価格の幅も大きく、特性も異なります。新築時やリフォームに際しては、ライフスタイルや用途、こだわりに応じた建材などの選択が可能です。
例えば床では、地元産の檜や杉などを用いた無垢材のフローリングで、木の香りや肌触り、耐久性、高級感、自然との調和といったものを手に入れることもできます。一方、子どもが汚したり傷つけることを前提に、掃除のしやすいクッションフロアにすることも選択肢の一つです。
内装の設えは、美観と機能の両面があり、耐火性や防音性など機能面の配慮も大切です。
配管
配管とは、建物内の設備機器と屋外の上下水道、ガス管を結ぶ専用管や空調用ダクトなどを配置することです。配管には、給水管、排水管、ガス管、配水管、空調の換気管などがあります。配管図には配管経路、接続方式、設備機器の設置場所などが示されています。
配管工事は専門職である配管工が行います。具体的には、配管図に即して、管を切断し、折り曲げるなどの加工をして、継手という道具でつなぎ、弁の取り付け、溶接やネジでつなぐなどで配管を完了させ、各設備を取り付けて運転できるようにします。
配管は建物が完成した後では目につかないものですが、住宅の維持管理上重要な役割を担います。清掃口や点検口が設けられているなど、長期的な維持管理が配慮されていることが重要です。
屋根
屋根とは、風雨や日射から建物を守るために、建築物を覆うように設けられた構造物です。気候や風土によって特徴があり、形状や屋根材の種類もさまざまです。
屋根の形状および屋根材を決めるうえで、基本として求められるのが、耐震性、防水性、防火性、耐久性、断熱性などです。特に木造住宅の場合には、屋根材の重量によって、耐震性を確保するために構造上、壁の量を増やす必要などもあります。また、素材によって雨漏りを起こさないための屋根の勾配も規定されます。
屋根の形状には、切妻(きりづま)、寄棟(よせむね)、陸屋根(りくやね)、片流れ(かたながれ)、入母屋(いりもや)、方形(ほうぎょう)、鋸屋根(のこぎりやね)、バタフライなどがあります。
屋根材には、瓦などの粘土系、セメントなどを加工した化粧スレート、石を板状にした天然スレート、金属系のガルバリウム鋼板、銅板などがあります。