24時間換気システム
にじゅうよじかんかんきしすてむ
24時間換気システムとは、機械式に常時換気するシステムです。
24時間換気システムとは、ファンなどの機械を使って、室内の空気を計画的に入れ替え、常時新鮮な空気を維持するためのシステムです。
住宅の高気密化が進み、
シックハウス症候群が問題となったことから、2003年の
建築基準法改正で、24時間換気システムの設置が義務づけられました。
シックハウス症候群の原因物質のひとつであるホルムアルデヒドは、建材に使用されていない場合でも、家具などから発散されることがあります。そのため、
建築基準法では、必要な
換気回数を0.5回/h以上としています。これは1時間で部屋の空気の半分が入れ替わることを意味します。
24時間換気システムの方式には、給気と排気の両方にファンを用いる「第1種換気」、給気のみファンを使用して排気は自然換気とする「第2種換気」、排気のみファンを使って給気は自然給気とする「第3種換気」の3種類があります。換気量が適切に行われるためには、家屋の気密度に応じたシステムの選択が重要です。
建築基準法
建築基準法とは、建物を建てるときの基本的な法律です。建築物の敷地・構造・設備・用途の最低基準を示し、用途地域や日影規制などエリアによって守るべき事項などが定められています。建物の利用者や近隣住民の生命・健康・財産を守ることを目的に、1950年に施行されました。基準の具体的な技術水準などは、建築基準施行令や施行規則などで詳細が規定されています。また、基準が実効性をもつように、着工前の建築確認や工事中の中間検査、完了検査、違法建築物の是正措置なども定められています。
建築基準法はこれまでに何度も改定を重ねています。1981年には現在の耐震基準が導入、2003年にはシックハウス対策の規定導入、2007年には耐震偽装事件を受けて建築確認審査の厳格化が図られました。中古マンションを選ぶ際には、いつ建てられたかによって基準が異なるため、築年は大まかな安全性を見るときの一つの目安にもなります。
シックハウス症候群
シックハウス症候群とは、住宅内に発生する化学物質などに反応して、目がチカチカする、喉が痛い、めまいや吐き気、頭痛、湿疹などの症状があらわれるものです。症状は個人によってさまざまです。
シックハウス症候群のおもな原因としては、建材や家具、日用品などから発散される化学物質による室内空気汚染や、住宅の気密性が高くなったことによる換気不足がいわれています。また、カビやダニ、ストーブなどから出る一酸化炭素、二酸化炭素、窒素酸化物、たばこの煙なども健康に悪影響を及ぼします。
シックハウス対策として、建築基準法では、ホルムアルデヒドなど使用制限がなされているほか、換気設備設置が義務付けられています。
シックハウス症候群対策では、刺激となる原因物質の使用を減らすことと、十分な換気を心がけることが大切です。
換気回数
換気とは、室内の汚れた空気を新鮮な外気と入れ替えることで、換気回数とは、一定時間内に入れ替わる回数のことです。換気係数ともいいます。1時間に室内に流入あるいは排出する空気量を居室面積で割ったもので、1時間に何回部屋の空気が入れ替わったかを表します。
シックハウス対策のため、建築基準法では建築材料による対策と換気設備による対策が義務付けられています。換気回数については、居室などでは0.5回/h以上の換気量を持つ換気設備の設置が義務化されています。また、換気設備による換気回数が0.5回/h以上0.7回/h未満の場合と、0.7回/h以上の場合で、使用できるホルムアルデヒド発散建築材料の使用面積制限が異なります。