浮床工法
うきゆかこうほう
浮床工法とは、鉄筋コンクリート造などで、スラブと床の間に緩衝材を挟む工法です。
浮床工法とは、
鉄筋コンクリート造や鉄骨
鉄筋コンクリート造などで、床の遮音性を高めるために、コンクリート
スラブと床材の間に緩衝材を入れる工法です。床
スラブと床材の間に、振動を伝わりにくくするための緩衝材を挟むことで、床の振動(音)が階下に伝わるのを防ぎます。
緩衝材には、防振ゴムや
グラスウール、ロックウールなどが用いられます。浮床工法には、主なものに湿式浮床工法と乾式浮床工法があります。湿式浮床工法は、床
スラブの上に緩衝材を敷き詰め、その上にもう一層コンクリート床を打ち込みます。防音効果は高いとされていますが、施工技術を要し、上部のコンクリートの床や緩衝材が薄いと重量衝撃音(床を飛び跳ねる音など)が大きくなることもあります。乾式浮床工法は、床の下に防振器具などを取り付けるもので、置き床とも呼ばれます。コンクリートを打ち込む必要がないので、湿式に比べて手間がかからず、さまざまな技術が開発されています。
グラスウール
グラスウールとは、ガラス原料を溶解し、遠心力を使ってミクロン(1000分の1ミリ)単位の細い繊維にしたものです。グラスウールは、不燃性、断熱性、耐久性、吸音性、防振性などに優れ、住宅建材や工業用など幅広い用途に使われています。
住宅建材として、断熱材や保温材、防音材などのほか、給排水管や冷温水管などのパイプやダクトなどの保温・保冷・吸音にも用いられます。グラスウールは不燃材料で、火災によって燃えたり、有毒ガスが発生する心配もありません。そのため、壁や床、屋根などに一定基準以上のグラスウールを使用した住宅について、国土交通省は「準耐火構造」「防火構造」「準防火構造」として告示しています。
また、ガラス繊維のため、腐ったり虫が食ったりせず、軽くて施工しやすいのも特徴です。結露防止効果も高く、省エネ対策として多用されている建材です。
スラブ
スラブとは、本来は「石板」を意味します。鉄筋コンクリートのマンションでは、床の加重を支えるコンクリートの床板を床スラブといいます。屋根を構成する板は、屋根スラブといいます。
スラブは大梁や小梁と一体化して成型されます。一般的にスラブが厚いほど遮音性が高いといわれています。最近のマンションでは200mm以上が大半で、250~300mmの厚さを持たせているものもあります。また、梁で囲まれたスラブの広さをスラブ面積といい、スラブ面積が小さいほど床がたわんだりすることに対抗できる力(剛性)が強くなり、重量衝撃音(床を走る音など)が響きにくくなります。
鉄筋
鉄筋とは、鉄筋コンクリート造の建築物に使用される構造材です。鉄筋コンクリートは鉄筋とコンクリートが一体となったもので、直系1~3cm程度の鉄筋を針金で縛るなどの方法で格子状に組み合わせ、コンクリートの中に埋め込み、引張力に弱いコンクリートを補強します。
鉄筋は圧縮には弱く、引張に強い性質があり、コンクリートは圧縮に強く、引張に弱い性質があり、両者の弱点を補い合うことで高い強度を獲得します。また、鉄とコンクリートは付着性がよく、コンクリート中の鉄筋はサビにくく耐久性にも優れます。
鉄筋にはその形状から、断面が丸い丸鋼と、コンクリートとの付着をよくするために表面に突起などの付いた異形棒鋼の2種類があります。また、鉄筋同士をつなぎ合わせる方法は、針金を巻いて縛る重ね継手と呼ばれる方法のほか、金物やネジでジョイントする機械式継手などがあります。