内法
うちのり
内法とは、柱など厚みのあるもので囲まれた内側の寸法をいいます。
内法とは、
柱や建具など厚みのあるものに囲まれた長さや面積を測定するときに、内側で測るものです。これに対して、
柱などの部材の中心線と中心線の間を測定するものを、「心々(しんしん)」といいます。
建物の床面積には、内法面積と
壁心面積があります。内法面積は、壁の内側の部分の面積です。実際の生活空間は内法面積となります。
壁心面積は、
柱や壁の「心々」で測定したもので、壁の中心線で囲まれた面積となります。不動産広告やパンフレットに記載されている
建物面積や
専有面積は、この
壁心面積が表示されています。一方、登記簿に登記される面積は内法面積で、税金の控除などもこの内法面積が対象となる住宅かどうかの基準となります。
専有面積
専有面積とは、マンションの各住戸の面積をいいます。区分所有者が自分の所有物として自由に扱える部分の面積で、バルコニーや玄関ポーチなどは含みません。
専有面積の計算方法には、「内法(うちのり)面積」と「壁心(へきしん)面積」の2種類があります。「内法面積」は壁の内側の面積で、実際に使用可能な面積となります。これに対して「壁心面積」は、住戸を囲む壁の中心線を結んで測定します。そのため、「内法面積」は「壁心面積」より狭くなります。一般に不動産広告に記載されている専有面積は「壁心面積」です。また、広告に記載される専有面積に車庫や地下室などが含まれる場合には、その旨と面積が表示されます。新築分譲マンションのパンフレットが「壁心面積」で表示されている場合にも、その旨が表示されます。
登記簿に記載されるのは「内法面積」で、税金の軽減措置も「内法面積」が要件となるので、注意が必要です。
建物面積
建物面積とは、建物の延べ床面積をいいます。建築面積が建物の建っている面積であるのに対し、建物面積は各階の床面積の合計となります。建物面積には、バルコニーやベランダ、吹抜け、出窓などは含みません。地下室やビルトインガレージなどは含まれます。また、ロフトは高さが1.5m以上であれば含まれます。
マンションの場合には、建築基準法上の建物面積は、壁の中心線で囲まれた壁心(へきしん)計算ですが、登記簿上は壁で囲まれた部分の内法(うちのり)計算によります。
なお、固定資産税は建物面積に基づいて算出されます。
柱
柱とは、建物の軸組みで、土台に対して垂直に立てて、屋根や床の荷重を土台や基礎に伝えるものです。木造軸組工法やラーメン構造では、梁などとともに建物を支える最も重要な部材です。
柱の太さは、柱の位置や部屋の大きさ、支える重さによって決めます。木造2階建て以上の場合には、土台から軒まで通った継ぎ目のない「通し柱」が建物の四隅に使われます。「通し柱」は、上下階を構造的に一体化させて耐震性を高めるために重要なものです。各階ごとに梁や胴差しなどで区切られた柱を、「管柱(くだばしら)」といいます。「管柱」も各階の荷重を受ける構造体です。このほか、柱と柱の間に壁の補強のために入れる柱を「間柱(まばしら)」と呼びます。また、壁に取り付けた装飾用の柱を「付け柱」といいます。
壁心
壁心とは、建物の床面積を算出するときに、壁の中心線で測定するものです。壁心で計算した面積を「壁心面積」といいます。「壁心」は「壁芯」と書くこともあります。
建築基準法では、建物の床面積は、「壁その他の区間の中心線で囲まれた部分の面積」とされているので、広告やパンフレットなどに記載されている専有面積や建物面積は、壁心面積で表記されます。
これに対して、壁の内側で測定する面積を「内法(うちのり)面積」といいます。登記簿に登記されるのは、内法面積です。
壁心面積は内法面積に比べて、少し大きな面積となります。