集成材
しゅうせいざい
集成材とは、工場で乾燥させ、成型された木材です。
集成材とは、工場で乾燥させて成型した材木で、強度や品質が安定し、性能が保証されている木材です。
集成材は、ひき板や小角材をよく乾燥(含水率15%以下)させ、大きな節や割れなどの欠点を取り除き、繊維方向をそろえて接着剤で集成接着します。そのため、狂い、反り、割れなどが生じにくく、強度も安定しています。自由な形状や長さに作れるので、大きな断面のものや湾曲したものも容易につくれます。また、用途に応じて一定基準以上の品質が保証されています。
集成材で使用される接着剤については、
シックハウス症候群の懸念がありますが、最近は
F☆☆☆☆(ホルムアルデヒドの発散量を表す基準で、最も少ない等級)の製品が大半で、健康面も配慮されています。
なお、コスト面では、
無垢材より高くなる傾向があります。
シックハウス症候群
シックハウス症候群とは、住宅内に発生する化学物質などに反応して、目がチカチカする、喉が痛い、めまいや吐き気、頭痛、湿疹などの症状があらわれるものです。症状は個人によってさまざまです。
シックハウス症候群のおもな原因としては、建材や家具、日用品などから発散される化学物質による室内空気汚染や、住宅の気密性が高くなったことによる換気不足がいわれています。また、カビやダニ、ストーブなどから出る一酸化炭素、二酸化炭素、窒素酸化物、たばこの煙なども健康に悪影響を及ぼします。
シックハウス対策として、建築基準法では、ホルムアルデヒドなど使用制限がなされているほか、換気設備設置が義務付けられています。
シックハウス症候群対策では、刺激となる原因物質の使用を減らすことと、十分な換気を心がけることが大切です。
無垢材
無垢材とは、1本の原木から必要な寸法に切り出した角材や板で、集成材のように加工されたものではない、純粋な木材です。正物(しょうもの)ともいいます。
無垢材は自然の木なので、強度や耐火性、調湿性、保温性、吸音性など木本来の優れた特性を有しています。また、ヒノキなど木の種類によって特有の香りがあります。
一方、自然の木特有の課題もあります。木は伐採時に50%以上の水分を含んでおり、乾燥が不十分だと収縮や反り、割れなどが生じ、建物の完成後にひび割れが生じることがあります。十分な乾燥には20~30年必要だともいわれ、高額になります。また、木材の強度や品質にバラツキがあり、一本一本の木にクセがあるため、木の選定や使い方に熟練を必要とします。
なお、無垢材の品質や価格は幅広く、樹種によっても異なり、節が少ないものほど高価です。無垢材でも、節の多いものや未乾燥材は、集成材よりもコストが低くなります。
無垢材を上手に用いるには、長所と短所を理解した上で、熟練した大工さんが建てることが望まれます。
F☆☆☆☆
F☆☆☆☆とは、建材のホルムアルデヒド発散量を示す等級で、最も少ないものです。
ホルムアルデヒドの発散量について、JAS(日本農林規格)やJIS(日本工業規格)の基準による等級を表すものです。Fの後に付く☆の数で、発散量が分かるようにしたもので、等級によって使用制限があります。
F☆☆☆☆は、発散量がゼロかごく微量で、使用制限はありません。F☆☆☆は、床面積の2倍までしか使用できません。F☆☆は、F☆☆☆より発散量が多く、床面積の0.3倍までしか使用できません。記号のないものは、使用禁止となっています。
F☆☆☆☆の建材には使用制限がありませんが、発散がまったくないということではありません。また、自然塗装からもシックハウスの原因となる刺激物質が出ることもあります。使用する建材がF☆☆☆☆および無垢材や自然塗装のものであっても、換気には十分気を付けることが大切です。