遮音等級
しゃおんとうきゅう
遮音等級とは、建物の遮音性能を表す指標です。
遮音等級とは、建物の遮音性能を表す指標で、外部の騒音や上階の騒音を建物がどれだけ遮ることができるかで表示します。
音には、空気中を伝わって聞こえる「空気音」と、床に物が落ちて響くなど固体が振動する「固体音」があります。空気音とは、屋外の車や飛行機等の音、隣室の人の話し声などです。固体音は、上階の人の足音や物が落ちた音、トイレの排水音などです。
遮音等級では、空気音は、外壁や内壁の各部位が騒音をどれだけ遮断できるかを、
D値で表します。
D値は、値が大きいほど遮音等級が優れています。サッシなどの
開口部はT値として4段階が定められており、数値が大きいほど遮音性能が高くなります。
固体音は、上階の衝撃音が下階で聞こえる大きさを
L値で表します。
L値は、値が小さいほど遮音性能が高くなります。
L値
L値とは、床衝撃音が階下でどの程度聞こえるか、音の大きさを表す指標です。
床衝撃音とは、人が歩いたり、床に物を落としたりしたときに、床の振動によって階下に伝わる音です。建物の構造によって伝わり方が異なります。
床衝撃音は2種類に区別されます。人が歩く、子どもが走る、などで発生する重くて鈍い音を重量床衝撃音といい、LHで表示します。スプーンを落とすなど物が落下した音や、椅子などを引きずるなどの軽くて高い音を軽量床衝撃音といい、LLで表します。
L値は、数値が小さいほど遮音性能が優れています。
D値
D値とは、音が壁を通過する間にどの程度レベルが下がるかを表すもので、音響透過損失といい、壁の遮音性能を表す指標です。
外部の音源が壁を通過して、室内で聞こえる音量を測定します。単位はdB(デシベル)で、周波数500Hz(ヘルツ)の音源を用いて、例えば外部音源が85dBで、室内で聞こえる音が35dBの場合には、その壁の透過損失は50dB(85dB-35dB)となり、D値はD-50となります。
D値は数値が大きいほど、遮音性能に優れています。
住宅性能表示制度による等級では、D-45以上(等級2)が基本的な遮音性能が確保されている程度、D-50以上(等級3)が優れた遮音性能が確保されている程度、D-55以上(等級4)が特に優れた遮音性能が確保されている程度、となっています。
開口部
開口部とは、建物の壁などに設けられた窓や出入口など屋外や室外に向かって開かれた部分です。リビングや居室の窓、天窓、玄関や室内ドアなどをいいます。
開口部は、採光、換気、通風、眺望、通行などの役割があります。床面積に対して一定以上の開口部がなければ、居室と呼べません。
開口部の位置や広さは、建築物の躯体強度に影響するほか、通風や採光などの居住空間の快適性や断熱性なども左右します。また、リビングに大きな窓を設けて眺望を楽しんだり、隣家との距離や視線を考慮して開口部の位置や高さを工夫するなど、室内からの視界、外部からの視線なども考慮することが大切です。
また、出入口として使用する開口部は、開閉に必要なスペースや開閉時の安全性なども考慮されます。