無垢材とは、1本の原木から必要な寸法に切り出した角材や板で、
集成材のように加工されたものではない、純粋な木材です。正物(しょうもの)ともいいます。
無垢材は自然の木なので、強度や耐火性、調湿性、保温性、吸音性など木本来の優れた特性を有しています。また、ヒノキなど木の種類によって特有の香りがあります。
一方、自然の木特有の課題もあります。木は伐採時に50%以上の水分を含んでおり、乾燥が不十分だと収縮や反り、割れなどが生じ、建物の完成後にひび割れが生じることがあります。十分な乾燥には20~30年必要だともいわれ、高額になります。また、木材の強度や品質にバラツキがあり、一本一本の木にクセがあるため、木の選定や使い方に熟練を必要とします。
なお、無垢材の品質や価格は幅広く、樹種によっても異なり、節が少ないものほど高価です。無垢材でも、節の多いものや未乾燥材は、
集成材よりもコストが低くなります。
無垢材を上手に用いるには、長所と短所を理解した上で、熟練した大工さんが建てることが望まれます。
集成材
集成材とは、工場で乾燥させて成型した材木で、強度や品質が安定し、性能が保証されている木材です。
集成材は、ひき板や小角材をよく乾燥(含水率15%以下)させ、大きな節や割れなどの欠点を取り除き、繊維方向をそろえて接着剤で集成接着します。そのため、狂い、反り、割れなどが生じにくく、強度も安定しています。自由な形状や長さに作れるので、大きな断面のものや湾曲したものも容易につくれます。また、用途に応じて一定基準以上の品質が保証されています。
集成材で使用される接着剤については、シックハウス症候群の懸念がありますが、最近はF☆☆☆☆(ホルムアルデヒドの発散量を表す基準で、最も少ない等級)の製品が大半で、健康面も配慮されています。
なお、コスト面では、無垢材より高くなる傾向があります。