瓦葺きとは、建材に瓦を用いて
屋根を葺いたものです。
瓦には、粘土瓦、石瓦、セメント瓦、スレート瓦、金属瓦などがあります。昔から家屋の
屋根として用いられてきたのは粘土瓦で、耐水性、耐火性に優れていますが、重量があるため、建物の構造が強固である必要があります。
粘土瓦は製法によって、いぶし瓦(素焼きの後でいぶしたもの。光沢があり、経年変化で黒から銀色になる)、釉薬(ゆうやく)瓦(絵具である釉薬を塗って作った陶器瓦で、色は多彩)、塩焼き瓦(釉薬の代わりに塩を使用したもので、赤褐色)などがあります。粘土瓦は耐熱性、耐久性に優れ、外観に風格が生まれます。近年、用いられることの多いスレート瓦や金属瓦は、コストが安く、軽量で、構造への負担が少なく、耐震性に優れています。
かつての瓦葺きは、下地の上に土を敷きつめ、その上に瓦を載せていたため、かなりの重量で、地震や強風などに弱いといわれています。しかし、最近では、下葺き材の上に防水シートを張り、土の代わりに防腐処理をした桟木を取り付け、瓦を釘やビスなどで取り付ける工法などが採用され、施工方法によって耐震性に優れた粘土瓦葺きも可能となっています。
屋根
屋根とは、風雨や日射から建物を守るために、建築物を覆うように設けられた構造物です。気候や風土によって特徴があり、形状や屋根材の種類もさまざまです。
屋根の形状および屋根材を決めるうえで、基本として求められるのが、耐震性、防水性、防火性、耐久性、断熱性などです。特に木造住宅の場合には、屋根材の重量によって、耐震性を確保するために構造上、壁の量を増やす必要などもあります。また、素材によって雨漏りを起こさないための屋根の勾配も規定されます。
屋根の形状には、切妻(きりづま)、寄棟(よせむね)、陸屋根(りくやね)、片流れ(かたながれ)、入母屋(いりもや)、方形(ほうぎょう)、鋸屋根(のこぎりやね)、バタフライなどがあります。
屋根材には、瓦などの粘土系、セメントなどを加工した化粧スレート、石を板状にした天然スレート、金属系のガルバリウム鋼板、銅板などがあります。