直床工法
じかゆかこうほう
直床工法とは、コンクリート床スラブの上に直接仕上げ材を張って仕上げる工法です。
直床工法とは、マンションの床仕上げ工法の一つで、コンクリート床
スラブの上に直接仕上げ材を張る工法です。
直床工法は、コンクリート床
スラブの上に、
フローリングやカーペットなどの仕上げ材を直接張ります。そのため、床部分の厚さを薄く抑えることができます。それだけ
階高(各階の高さ)を抑えたり、天井を高くすることも可能です。しかし、床
スラブの厚さが十分でないと遮音性が落ちてしまいます。そのため、仕上げ材に防音効果の高いクッション材などの建材を用いることが望まれます。
また、キッチンなどの水回り部分は床下に
配管する必要があるため、この部分の直床工法はできません。
床暖房は直床工法でも後付けすることも可能です。
スラブ
スラブとは、本来は「石板」を意味します。鉄筋コンクリートのマンションでは、床の加重を支えるコンクリートの床板を床スラブといいます。屋根を構成する板は、屋根スラブといいます。
スラブは大梁や小梁と一体化して成型されます。一般的にスラブが厚いほど遮音性が高いといわれています。最近のマンションでは200mm以上が大半で、250~300mmの厚さを持たせているものもあります。また、梁で囲まれたスラブの広さをスラブ面積といい、スラブ面積が小さいほど床がたわんだりすることに対抗できる力(剛性)が強くなり、重量衝撃音(床を走る音など)が響きにくくなります。
床暖房
床暖房とは、床を暖めて部屋を暖房するものです。床を暖めることで、暖まった床面から放射される輻射熱が部屋を暖めます。
床暖房は足元から暖めるため、上部に熱がこもりにくく、自然な暖かさが室内に広がります。また、火を使わないため空気を汚さず、音や風、においなども発生しません。輻射熱で部屋を暖めるので、空気の乾燥も少なくなります。
床暖房には、電気式と温水式があります。電気式は部分暖房や短時間の暖房に、温水式は広い部屋や長時間の暖房に適しています。初期費用は温水式の方が高くなりますが、ランニングコストは低めで、耐久年数も30年以上など長期になります。電気式も深夜電力を利用する蓄熱式を採用すると、初期コストは上がりますが、ランニングコストは抑制できます。
配管
配管とは、建物内の設備機器と屋外の上下水道、ガス管を結ぶ専用管や空調用ダクトなどを配置することです。配管には、給水管、排水管、ガス管、配水管、空調の換気管などがあります。配管図には配管経路、接続方式、設備機器の設置場所などが示されています。
配管工事は専門職である配管工が行います。具体的には、配管図に即して、管を切断し、折り曲げるなどの加工をして、継手という道具でつなぎ、弁の取り付け、溶接やネジでつなぐなどで配管を完了させ、各設備を取り付けて運転できるようにします。
配管は建物が完成した後では目につかないものですが、住宅の維持管理上重要な役割を担います。清掃口や点検口が設けられているなど、長期的な維持管理が配慮されていることが重要です。
階高
階高とは、建物の下の階の床面から上の階の床面までの高さのことで、建物の1階分の高さを指します。
マンションなどでは、階高が高いと、床スラブの厚さを厚くしたり、二重床や二重天井に一定の高さをもたせ、天井高も高くすることが可能です。例えば、天井高2m50cm、床スラブ厚さ20cm、二重床の高さ15cm、二重天井の高さ8cmのマンションでは、階高は2m93cmとなります。ただし、高層になるほど床スラブも厚くなるので、階高も高さが必要となります。また、開放的なリビングなどで室内空間が広い場合には、天井高も高い方がバランスがよく、逆に小ぢんまりした空間では低めの天井のほうが落ち着きが出ます。
なお、階高を低くして階数を増やすことで、1戸当たりのコストを削減するマンションもあるので、パンフレットなどを見るときには、天井高だけでなく階高にも注意することが大切です。
フローリング
フローリングとは、木質系の床材のことで、LDKや洋室に用いられます。
畳敷きの和室やカーペット敷きに比べて、掃除がラクで、ダニなども発生しにくいのが特徴です。
フローリングには、天然木の無垢材を使った単層フローリングと、合板の表面に化粧材を張り合わせた化粧合板を使った複層フローリングがあります。
単層フリーリングには、硬くて強度のある広葉樹と、柔らかくて肌触りがいい針葉樹があり、樹種によって特徴もさまざまです。木の香りがよく、調湿作用があるため、素足で歩くと心地よく、歳月が経つほど味わいも出てきます。最近では、床暖房に対応できる単層フローリングもあります。価格面では、樹種や節の有無、乾燥処理などによって異なります。
複層フローリングは、商品の種類が豊富で、デザインや色、さまざまな機能があり、無垢材に見られるような品質のばらつきはありません。傷がつきにくいもの、ペット対応、遮音性の高いものなど、多彩な商品がラインナップされています。