百年コンクリート
ひゃくねんこんくりーと
100年コンクリートとは、寿命が100年以上あるコンクリートのことです。
100年コンクリートとは、日本建築学会により、「構造体の大規模な修繕をしなくても100年はもつ」とされるコンクリートで、30N/mm
2以上の耐久設計基準強度をもつコンクリートを指します。30N/mm
2とは、1m
2当たり約3,000トンの圧力に耐える力です。100年間
メンテナンスが不要という意味ではありませんが、ひび割れなどの通常の補修によって、100年間は大きなダメージ(
鉄筋の腐食やコンクリートの重大な劣化)が生じないと予想されるものです。
一般のコンクリートでは、耐久設計基準強度18N/mm
2、大規模修繕不要予定期間30年、供用限界期間65年となり、標準コンクリートの各数値は、強度24N/mm
2、大規模修繕不要予定期間65年、供用限界期間100年、となっています。
なお、超
高強度コンクリートでは、200年コンクリートや500年コンクリートといった超長期の耐久性を有するものもあります。
メンテナンス
メンテナンスとは、保守・点検、維持・管理の意味で、住まいを快適に維持するうえで欠かせないものです。住宅の耐用年数を延ばし、快適性を維持するうえで、適切なアフターメンテナンスは重要な役割を担います。
マンションなどでは長期修繕計画が立てられ、計画に基づいた維持管理が行われます。一戸建てにおいても住まいのメンテナンスは重要で、5年単位での点検と補修が望ましいといわれています。
メンテナンスの対象となるのは、屋根や外壁、ベランダ、開口部、防蟻処理、配管、内装など、多方面に渡ります。マンションでは修繕積立金などがありますが、一戸建てもメンテナンスを前提として費用を準備する必要があります。
鉄筋
鉄筋とは、鉄筋コンクリート造の建築物に使用される構造材です。鉄筋コンクリートは鉄筋とコンクリートが一体となったもので、直系1~3cm程度の鉄筋を針金で縛るなどの方法で格子状に組み合わせ、コンクリートの中に埋め込み、引張力に弱いコンクリートを補強します。
鉄筋は圧縮には弱く、引張に強い性質があり、コンクリートは圧縮に強く、引張に弱い性質があり、両者の弱点を補い合うことで高い強度を獲得します。また、鉄とコンクリートは付着性がよく、コンクリート中の鉄筋はサビにくく耐久性にも優れます。
鉄筋にはその形状から、断面が丸い丸鋼と、コンクリートとの付着をよくするために表面に突起などの付いた異形棒鋼の2種類があります。また、鉄筋同士をつなぎ合わせる方法は、針金を巻いて縛る重ね継手と呼ばれる方法のほか、金物やネジでジョイントする機械式継手などがあります。
高強度コンクリート
高強度コンクリートとは、一般のコンクリートと比べて、より強い圧力に耐えられるコンクリートのことです。
コンクリートの強度は、単位面積当たりの圧縮強度の高さで表します。単位は+H111(ニュートン・パー・ヘイホウミリメートル)で、1N/mm2は1m2当たりで約100トンの圧縮力に耐えられることを意味します。
普通のコンクリートが27~36N/mm2なのに対して、高強度コンクリートは36~60N/mm2となっています。コンクリートの強度を高めるには、水セメント比率を低く抑える必要があり、普通のコンクリートが40~50%なのに対して、高強度コンクリートは25~40%となります。コンクリートの強度が高くなるほど、必要な柱や梁の重量を減らすことが可能です。高強度コンクリートは、より高い強度と耐久性が要求される高層ビルなどに利用されます。
なお、60N/mm2以上の強度をもつコンクリートを超高強度コンクリートと呼びます。