ボイドスラブ工法
ぼいどすらぶこうほう
ボイドスラブ工法とは、スラブ内に空洞を設ける工法です。
ボイド
スラブ工法とは、
スラブの厚さを250~300mmと厚めにし、コンクリート床
スラブに鋼管(ボイド)を通して、
梁の代わりに
スラブ自体で床や天井を支える工法です。ボイド管は空洞で、通常のコンクリート
スラブの厚さが150mm程度であるのに比べて
スラブが厚く、剛性や強度に優れているといわれています。
スラブ全体が
梁の役目を果たすので小
梁がいらなくなり、天井の出っ張りがなくなって、室内空間がすっきりとします。
スラブが厚いので遮音性能が高いともいわれます。
ただし、
スラブを厚くする分だけ
階高を高くする必要があり、施工コストが高くなる傾向があります。
スラブ
スラブとは、本来は「石板」を意味します。鉄筋コンクリートのマンションでは、床の加重を支えるコンクリートの床板を床スラブといいます。屋根を構成する板は、屋根スラブといいます。
スラブは大梁や小梁と一体化して成型されます。一般的にスラブが厚いほど遮音性が高いといわれています。最近のマンションでは200mm以上が大半で、250~300mmの厚さを持たせているものもあります。また、梁で囲まれたスラブの広さをスラブ面積といい、スラブ面積が小さいほど床がたわんだりすることに対抗できる力(剛性)が強くなり、重量衝撃音(床を走る音など)が響きにくくなります。
梁
梁とは、建築物の骨組みのなかで、建物に対して水平方向に渡し、屋根や床など建物の上からの荷重を柱に伝えて建物を支える部材をいいます。柱と連結して支える梁を「大梁」、柱に直接つながっていない梁を「小梁」といいます。元来は、屋根の棟木(むなぎ)に対して直角に渡したものを梁と呼び、水平に渡したものは桁(けた)と呼んでいました。そのため、棟木と水平方向の建物の奥行きを梁方向、直角に交わる方向を桁方向といいます。また、屋根を支える梁を小屋梁(こやばり)、床を支える梁を床梁(ゆかばり)と呼びます。
木造建築では、梁には松や米松、杉などが使われます。また、「現し」といって、梁を露出させて意匠を施すものもあります。
階高
階高とは、建物の下の階の床面から上の階の床面までの高さのことで、建物の1階分の高さを指します。
マンションなどでは、階高が高いと、床スラブの厚さを厚くしたり、二重床や二重天井に一定の高さをもたせ、天井高も高くすることが可能です。例えば、天井高2m50cm、床スラブ厚さ20cm、二重床の高さ15cm、二重天井の高さ8cmのマンションでは、階高は2m93cmとなります。ただし、高層になるほど床スラブも厚くなるので、階高も高さが必要となります。また、開放的なリビングなどで室内空間が広い場合には、天井高も高い方がバランスがよく、逆に小ぢんまりした空間では低めの天井のほうが落ち着きが出ます。
なお、階高を低くして階数を増やすことで、1戸当たりのコストを削減するマンションもあるので、パンフレットなどを見るときには、天井高だけでなく階高にも注意することが大切です。