アルコーブ
あるこーぶ
アルコーブとは、廊下や通路のくぼんだ部分です。
アルコーブとは、くぼみを意味する言葉です。マンションの玄関前などで、外廊下から少しくぼんだ空間を指します。アルコーブがあると、外からの視線が遮られ、玄関扉の開け閉めも廊下を通行する人がいても安全です。
アルコーブに一定の広さがあると、ちょっとしたプランターを置いたり、ベビーカーを置いたりすることもできます。ただし、アルコーブは専用使用権がある
共用部分なので、
バルコニーなどと同様に置いていいものに制限があり、
管理規約に規定されている場合もあります。基本的には、通行の邪魔にならないこと、美観を損ねないこと、などの配慮が必要です。
なお、広めのスペースで柵などを設けたものは、
ポーチと呼ぶのが一般的です。
バルコニー
バルコニーとは、マンションなどの屋外に張り出した床のことです。
室内空間の延長として、掃き出し窓などの先に設けられ、屋根や天井はなく、手すりが付いています。上階のバルコニーが屋根の代わりになります。バルコニーは広さや用途によって、アウトドアリビングとして活用できる「リビングバルコニー」や、コンパクトで室外機置場やゴミ置場などに利用される「サービスバルコニー」などがあります。また、階下の屋根を利用した広い「ルーフバルコニー」もあります。
分譲マンションの場合、バルコニーは共用部分に属します。居住者だけが使用できる専用使用権はありますが、改造したり、物置などの固定物を設置することはできません。バルコニーは消防法で、緊急時の避難通路とされています。そのため、避難時の障害にならないように管理規約等にはバルコニーの使用制限が定められています。
ポーチ
ポーチとは、玄関の前にある庇が突き出た空間をいいます。建物の入口にある屋根付きのスペースで、車寄せの部分です。
ポーチには、玄関ドア前の小スペースから、支柱を施したもの、上下2層の荘厳なものまで、形態もスケールも多様です。ポーチは建物のファサードを構成する重要な部分で、風雨や日差しから守るとともに、その意匠によって建物に威容や個性をもたらします。
最近は、マンションにも玄関ポーチを設ける例があります。共用廊下から玄関の間に門扉などを設けることで、独立性や戸建て感覚が生まれます。鉢植えを飾ったり、バギーなどを置く場所としても重宝されるようです。
管理規約
管理規約とは、マンションの管理運営について定めた基本的なルールです。区分所有法によって規定された、マンション管理の憲法ともいわれる重要なものです。
管理規約には、建物の用途や区分、専有部分と共用部分の範囲、管理組合の業務内容、管理組合の運営方法、総会の議決権や決議の方法、管理費・修繕積立金の使途などが含まれています。また、ゴミ出しのルールやペットの要件など、細かいルールについては細則で定めます。
管理規約は、国土交通省が「マンション標準管理規約」を定めています。新築マンションでは、通常はデベロッパーなどがあらかじめマンション管理規約を策定していますが、管理組合結成後には規約を変更することも可能です。
管理規約は、マンションの住人が心地よく暮らすためのルールなので、自分たちにとって良い内容になっているか検討することや、必要なルールをお互いに再確認することは重要です。
共用部分
共用部分とは、マンションやオフィスビルなどの区分所有権建物で、区分所有者全員のための施設や付属部分のことです。専有部分以外のすべてが共用部分として扱われます。
具体的には、エントランス、共用廊下、階段、エレベーターホール、機械室、駐車場など専有部分に属さない建物のほか、メーターボックスやバルコニー、内外壁、床スラブ、パイプスペースなども共用部分として扱います。また、建物に付属するエレベーター設備、電気設備、給排水設備、インターネット通信設備、宅配ボックスなど、専有部分に属さない付属設備は共用部分となります。そのほか、管理人室や集会室など、性質上共用部分とみなされるもの、規約によって共用部分とされる部分などです。
共用部分は、区分所有権者全員で所有権を共有します。