請負契約
うけおいけいやく
請負契約とは、不動産の場合には建設工事請負契約のことをいい、施主と請負業者の間で結ぶ建設工事に関する契約です。
請負契約とは、依頼者(施主)と請負人(ハウスメーカーなど)の間で仕事の内容と報酬などについて建設工事請負契約を締結します。
建設工事請負契約には、発注者(依頼主)、請負者、工事内容(建物のプラン・仕様・品質・性能などが記載された図面や
見積書)、見積内訳明細、請負代金の額、支払方法、工事の開始時期、工事の完成時期、建物の完成及び検査、瑕疵(かし)担保、完成が遅れた場合や
違約金の対応、発注者と請負人の間にトラブルが生じた場合の対応などが記されています。
建設工事請負契約には、
設計図書などの図面や
見積書が添付されます。その内容は、後々のトラブルを回避するうえで大変重要なものです。契約に先だって丁寧に内容を確認し、不明点は問い合わせるなど、十分に理解して納得した上で取り結ぶことが大切です。
違約金
通常、不動産売買は契約書に基づいて取引が行われますが、売主または買主のどちらかが債務を履行することができなかった時、契約違反をした側が相手に対してを支払う旨を約束した金銭です。
売買契約が締結された後でも、一定期間内であれば手付金の放棄によって契約を解除できます。しかし、売主が契約の履行を開始すると契約解除ができなくなります。そのため、売主側からすると新規に住宅を建築してしまうと建築コストが発生してしまうことが違約金を規定している主な理由です。
違約金は賠償請求額の予定とともに契約条項に盛り込まれています。なお、違約金の額ですが、損害賠償額の予定と合わせても売買代金の2割を越えてはならないと宅地建物取引業法で定められています。
なお、不動産売買時に限らず、賃貸においても違約金が発生するケースがあります。建物の賃貸借契約において、入居者が中途解約を申し入れた場合、契約書の内容に基づいて家賃の数カ月分に相当する違約金を支払うことがあります。貸主側からすると本来予定されていた利益の機会を逸してしまったことに対して受け取る金銭と言えます。
見積書
住宅を建築したりリフォームするときには、プランに対してどのくらい建築費用がかかるのか、見積書によって確認します。依頼先を決めるに当たって、複数の業者から相見積を取るケースもあります。初期段階の見積書は、ラフプランをベースとした「概算見積書」になるのが一般的です。その後、設計や設備の詳細が確定した段階で、工事請負契約の前提となる本見積書(詳細見積書)が提示されます。
見積書の形式は会社によって異なりますが、建物本体にかかわる本体工事費と、カーポートや門扉などの附帯設備や地盤改良費などを分けて表示されることが多いようです。見積書によっては、設置する設備の明細やそれぞれの費用が細かく記載されているものもあれば、トータルで表示されている場合もあります。そのため、希望した設備や建材、必要な附帯工事などが見積書に反映されているか、一つひとつ確認したうえで契約するのが賢明です。
設計図書
設計図書とは、建物を建築する上で、工事に必要な設計図や仕様書のことをいいます。建築請負契約や建築確認申請に必要な書類のすべてを指します。
設計図書の内容は、建築物の規模や構造によって異なりますが、主として次のようなものがあります。
・付近見取図・・・・・建築予定地と周辺状況を描いた図面
・配置図・・・・・敷地内における建物や付帯設備の位置などを描いた図面
・平面図・・・・・各階の床から1m~1.5m程度の高さで水平に切断した断面図(間取図ともいう)
・立面図・・・・・建物の外観を東西南北から描いた図
・断面図・・・・・建物の主要部分の断面を描いた図(詳細図である「矩計(かなばかり)図」があれば、省略することも)
・矩計図・・・・・詳細断面図
・仕様書・・・・・工事の概要、使用材料の種類や品質、施工手順・方法、仕上げ表などを示したもの
・設備図・・・・・電気設備、空調設備、給排水設備などを描いた図面
なお、建築請負契約を結ぶ前には、設計図書に目を通して、分からない点は質問するなど、しっかり理解することが大切です。