隣地斜線制限
りんちしゃせんせいげん
隣地斜線制限とは、隣地の日当たりや通風を確保するために、建物の高さに制限を設けるものです。
準住居地域
準住居地域とは、道路の沿道において、自動車関連施設などの建築やサービス業と、これと調和した住居の環境を保護するための地域です。住居系の用途地域ですが、用途制限は少なく、自動車用車庫やパーキング付レストラン、大型店舗、ショールームなど、幹線道路沿いの立地を活かしたサービス業が多く見られます。建てられるものは住居のほか、教育施設、1万m2以下の店舗、事務所、ホテル、遊技施設、車庫、倉庫などです。近隣商業地域、商業地域、準工業地域で禁止されているものは建てられません。また、住環境を悪化させるおそれのある小工場や一定の危険物の貯蔵・処理工場などは禁止されています。
建ぺい率は50・60・80%、容積率は100・150・200・300・400・500%です。
絶対高さ制限
絶対高さ制限とは、第1種低層住居専用地域・第2種低層住居専用地域の場合に、建物の高さを10m以内または12m以内に制限するものです。
この地域が低層住宅の良好な住環境を保護するための地域であることから、絶対条件として、建築物の高さは、10mまたは12mのうち都市計画に定められたものを超えてはならないことが決められています。
ただし、周囲に広い公園や道路などがある場合や、学校などの建築物で特別に特定行政庁が許可したものについては、この限度を超えて建てることができます。
第1種住居地域
第1種住居地域は、住居の良好な環境を守るための地域で、建てられるものは住居のほか、学校、3,000m2までの一定の条件を有する店舗、事務所、ホテルなどです。また、税務署、郵便局、警察署、保健所、消防署、国土交通大臣が指定する電気通信事業設備および一定規模以下の付属自動車車庫は建てられます。マージャン店、パチンコ店、カラオケボックスは建てられません。
建ぺい率は50・60・80%、容積率は100・150・200・300・400・500%です。
第1種中高層住居専用地域
第1種中高層住居専用地域は、おもに中高層住宅の良好な環境を守るための地域で、建てられるものは住居のほか、小・中・高等学校、500m2以内で2階以下の一定の店舗、大学、高等専門学校、専修学校、病院、老人福祉センター、児童厚生施設、300m2以内で2階以下の自動車車庫その他公益上必要な建築物です。ボウリング場やホテルなどは建てられません。
建ぺい率は30・40・50・60%、容積率は100・150・200・300・400・500%です。高さ制限はありません。
第1種低層住居専用地域
第1種低層住居専用地域は、低層住宅の良好な環境を守るための地域で、この地域に建てられるものは住居のほか、小規模な店舗を兼ねた住宅、事務所を兼ねた住宅、共同住宅、小・中・高等学校、銭湯、診療所など、住宅の近隣に不可欠な社会文化施設や公益上必要な建物に限定されています。
建ぺい率は30・40・50・60%、容積率は50・60・80・100・150・200%です。建築物の高さは、原則として10または20m以下に制限されています。
第2種住居地域
第2種住居地域は、おもに住居の環境を守るための地域で、建てられるものは住居のほか、小・中・高等学校、大学、店舗、事務所、ホテル、パチンコ店、カラオケボックスなどです。キャバレーや映画館、300m2を超える自動車車庫などは建てられません。大規模な店舗や事務所の立地を、一定程度制限した地域といえます。
建ぺい率は50・60・80%、容積率は100・150・200・300・400・500%です。
住居と商業施設、オフィスなどが集まる多彩なエリアとなります。
第2種中高層住居専用地域
第2種中高層住居専用地域とは、おもに中高層住宅の良好な環境を守るための地域で、建てられるものは住居のほか、小・中・高等学校、大学、病院、1,500m2までの一定の店舗や事務所などです。マージャン店、カラオケボックス、劇場、パチンコ店、300m2を超える自動車車庫、倉庫、ボウリング場、ホテルなどは建てられません。
建ぺい率は30・40・50・60%、容積率は100・150・200・300・400・500%です。
必要な利便施設の立地を認めたマンションなどの中高層住宅が中心の地域です。
都市計画
都市計画とは、都市の健全な発展と自然環境の調和などにより、健康で文化的な都市空間を整備するための総合的な街づくりの計画です。都市計画法の規定による法的な規制力があり、秩序ある整備を図るための土地利用や都市施設の整備、市街地開発事業などが定められます。
都市計画を定める場所を都市計画区域と呼び、一定の開発行為を行う場合には都道府県知事の許可が必要となるなど、規制がかかります。
都市計画には、市街化区域と市街化調整区域の区分、地域地区、促進区域、遊休土地転換利用促進地区、被災市街地復興促進地域、都市施設、市街地開発事業、都市計画区域のマスタープラン、都市再開発方針等、市街地開発事業等予定区域、地区計画等があります。
用途地域
用途地域とは、地域における建物の用途に一定の制限が設けられたものです。市街化地域の計画的な利用によって環境保全を図るために、都市計画法で指定されています。その土地にどんな建物が建てられるのかという最も重要な地域地区の情報で、周辺環境を知る上でも重要な目安となります。
用途地域は12種類あります。そこでは建築基準法などによって、建築できる建物の種類、建ぺい率、容積率、斜線制限、高さの限度、日影制限、外壁の後退、敷地の最低規模などが定められています。
各用途地域には、「第1種低層住居専用地域」「第2種低層住居専用地域」「第1種中高層住居専用地域」「第2種中高層住居専用地域」「第1種住居地域」「第2種住居地域」「準住居地域」「近隣商業地域」「商業地域」「準工業地域」「工業地域」「工業専用地域」があります。
2つ以上の用途地域にまたがるときは、敷地の過半が属する用途地域の規制を受けます。建物にも周辺環境にも大きな影響があるので、対象物件がどの用途地域に属し、どんな規制があるのか、確認することが大切です。
境界
境界とは、登記された土地の地番と地番の境界をいいます。地番は1区画ごとに一筆としてつけられ、この一筆ごとの土地の境が境界となります。
境界は塀や垣根によって仕切られていることがありますが、目印が明確になっていないとトラブルの原因となりかねません。トラブルを防止する上で、境界の位置関係を明確にすることは大変重要です。
不動産登記法では、土地の分筆の登記の申請などの際には、地積測量図の図面上に位置関係を示す境界標を表示することとなっています。境界標には、木の杭や自然の立木などもありますが、腐食や動いてしまう可能性があるものは適当ではありません。境界石やコンクリート標などの永続性のある境界標を埋設するのが望ましいといえます。
境界標を設置する場合には、測量の専門家である土地家屋調査士などに依頼するのがいいでしょう。
採光
採光とは、自然の光を窓などから室内に取り入れることをいいます。建築基準法では、住宅の居室について、居室の床面積の1/7以上の採光に有効な開口部の面積が必要と規定されています。ただし、「採光」とは直射日光のことではないので、北側の窓が「採光に有効な窓」となる場合もあります。有効な採光面積は、用途地域や部屋の大きさ、窓の大きさによって決定されます。ただし、納戸やトイレ、浴室、洗面室などは対象となりません。
隣家が迫っている住宅密集地などでは、採光を確保するために、天窓やライトコートを設けるなど、さまざまな工夫が見られます。また、日当たりを調節するには、カーテンやブラインド、反射ガラスなどを利用します。