貸主
かしぬし
貸主とは、不動産物件を貸す人または法人を指します。
貸主とは、土地やマンション、住宅などの不動産物件を貸す人または法人のことです。
不動産の賃貸借契約では、
取引態様に「貸主」「
代理」「仲介」のケースがあり、このうち「貸主」とは、契約の当事者が「貸主」になっている物件のことです。「貸主」物件では、
仲介手数料はかかりません。
不動産の所有者(オーナー)が「貸主」になっていることが一般的ですが、中にはオーナーが
サブリース会社などに一括賃貸して、
サブリース会社が転貸する「転貸」物件もあります。
貸主は個人の場合もあれば、比較的大規模に賃貸業を運営している法人の場合もあります。
仲介手数料
仲介手数料とは、不動産会社を通じて不動産を売買したり、貸し借りしたときに支払う報酬のことです。取引契約が成立した場合に支払う成功報酬で、媒介手数料ともいいます。不動産会社は宅地建物取引業の免許を持つもので、宅建業者以外が仲介手数料を取ることはできません。
仲介手数料は、上限が宅建業法で定められています。売買の場合、取引価格が200万円以下は売買代金の5%+消費税、200万円超400万円未満は売買代金の4%+消費税、400万円超は売買代金の3%+消費税となっています。また、この額は売主と買主の、それぞれの依頼者から受け取ることができます。
賃貸の場合は、依頼主(貸主・借主)双方から受け取れる合計金額が家賃の1ヶ月以内(+消費税)となっています。本来は賃貸の場合、貸主と借主が折半で仲介手数料を負担することとなっていますが、実際には借主が全額払う契約が多いようです。これは「依頼主の承諾を得ている場合」という形式をとっているためです。
なお、仲介手数料は上限が定められていますが、それ以下で設定することは仲介会社の自由です。最近では価格競争に対応して、仲介手数料半月分あるいは無料といった物件も登場しています。ただし、単に仲介手数料が安ければいいというのではなく、信頼できる会社であることが肝心です。
代理
代理とは、取引態様の一つで、不動産取引において、売主や貸主に代わって販売活動や募集活動を行い、買主や借主と契約を行うものです。代理人または代理会社は売主や貸主との代理契約に基づいて営業活動を行います。新築マンションの販売などでは、売主の関連会社などが「販売代理」となって、広告、販売、契約までの一連の販売活動を行うことが少なくありません。買主や借主は売主や貸主に代わって代理と契約を結びます。また、代理との間で結んだ契約内容は、売主または貸主と結ぶ場合と法的には同等に扱われます。なお、取引態様が代理である場合には、仲介手数料がかからないのが一般的です。
サブリース
サブリースとは、土地活用の一つの方法で、オーナーの所有する不動産を不動産会社や管理会社が一括で借り上げ、オーナーに代わって第三者に転貸し、オーナーには契約した家賃を保証するシステムです。アパートを建設する際に、サブリースを前提とする場合もあります。
サブリースは、サブリース会社が入居者募集から家賃の集金、クレーム対応、滞納家賃の督促など、賃貸経営をすべて担い、オーナーには約定の賃料が保証されるものです。オーナーは、空き室の有無や滞納家賃の有無などに関わらず、一定額の収入が得られます。サブリース会社は、家賃の10~15%程度が管理報酬となり、礼金や更新料はサブリース会社が取得するのが一般的です。サブリース期間は、2年程度から30年以上の長期までありますが、経済状況によって家賃の減額や契約の途中解約などもあり得ます。
サブリースは、プロのノウハウによって賃貸経営を行うため、借主にとっては質の高いサービスが期待され、オーナーにとってもわずらわしい賃貸経営から解放され、空き室などのリスクを負うことなく安定収入が得られる方法です。ただし、対象となる不動産が入居者ニーズに合ったものでなければ、安定収入は見込めません。
取引態様
取引態様とは、不動産の売買や賃貸の取引を行うときに、不動産会社などの宅地建物取引業者がどの立場で関与するかを示すものです。取引態様の違いによって、宅地建物取引業者の権限と報酬が異なります。
取引態様には、売主・貸主・代理・媒介(仲介)があります。売主および貸主は、自らが所有者のケースで、デベロッパーや大手不動産会社の分譲物件や賃貸物件に見られます。代理は、売主から代理権を得た不動産会社などで、売主に代わって契約をします。媒介(仲介)は、売主と買主(借主)の間に入って仲立ちをするもので、契約相手は売主または貸主と結ぶことになります。
取引態様が売主・貸主や代理のものは、仲介手数料がかかりませんが、媒介(仲介)の場合には、仲介手数料を支払うことになります。
宅地建物取引業者が不動産広告をするときや、顧客から注文を受けたときには、取引態様の別を明示する義務があり、業務に違反した業者は、業務停止処分(情状が特に重い場合には免許取消処分)に処せられます。