表示規約
ひょうじきやく
表示規約とは、不動産業界が不動産広告のルールを自主的に定めたものです。
表示規約とは、正式名称を「不動産の表示に関する公正競争規約」といい、公正な不動産広告によって、一般消費者が合理的な選択ができるように、広告表記のルールを定めたものです。不動産業界が自主的に定めた規約ですが、
景品表示法に基づいて内閣総理大臣および公正取引委員会の認定を受けたものです。表示規約に違反すると、
不動産公正取引協議会から警告や
違約金などが課せられます。
表示規約では、広告を出してもよい開始時期の制限、必要な表示事項、特定事項等の明示義務、不当表示の禁止などが定められています。
なお、近年はインターネット広告が普及し、2012年にはインターネット広告の必要表示事項が追加されました。
違約金
通常、不動産売買は契約書に基づいて取引が行われますが、売主または買主のどちらかが債務を履行することができなかった時、契約違反をした側が相手に対してを支払う旨を約束した金銭です。
売買契約が締結された後でも、一定期間内であれば手付金の放棄によって契約を解除できます。しかし、売主が契約の履行を開始すると契約解除ができなくなります。そのため、売主側からすると新規に住宅を建築してしまうと建築コストが発生してしまうことが違約金を規定している主な理由です。
違約金は賠償請求額の予定とともに契約条項に盛り込まれています。なお、違約金の額ですが、損害賠償額の予定と合わせても売買代金の2割を越えてはならないと宅地建物取引業法で定められています。
なお、不動産売買時に限らず、賃貸においても違約金が発生するケースがあります。建物の賃貸借契約において、入居者が中途解約を申し入れた場合、契約書の内容に基づいて家賃の数カ月分に相当する違約金を支払うことがあります。貸主側からすると本来予定されていた利益の機会を逸してしまったことに対して受け取る金銭と言えます。
不動産公正取引協議会
不動産公正取引協議会とは、不動産広告の適正化を図るために、不動産広告の審査や不動産業界の指導を行う自主規制機関です。
不動産公正取引協議会は、全国9地区(北海道・東北地区・首都圏・東海・北陸・近畿地区・中国地区・四国地区・九州)にあります。その9地区で構成する「不動産公正取引協議会連合会」が全国の不動産広告規約の1本化を図り、不動産広告のルールおよび景品提供のルールを定めています。各地区の不動産公正取引協議会は、そのルールを各地域で運用しています。
不動産公正取引協議会は不動産業界の研修や指導に加え、一般消費者からの苦情処理も行っています。広告規約に違反した場合には、不動産公正取引協議会が警告し、50万円以下の違約金(警告に従わない場合は500万円以下の違約金)を科すこともあります。
景品表示法
景品表示法とは、正式には「不当景品類及び不当表示防止法」といい、一般消費者の利益の保護を目的として、不当な顧客誘引につながる行為を禁止するものです。
景品表示法は、独占禁止法の特例としてスタートし、現在では消費者庁によって運用されています。
景品表示法では、商品やサービスの品質、内容、価格などを偽って表示することを厳しく規制し(不当な表示の禁止)、過大な景品類の提供を防ぐために景品類の最高額を制限(過大な景品類の提供の禁止)しています。
違反行為があった場合には、措置命令が行われます。また、違反行為が迅速・効果的に規制できるよう、都道府県知事も景品表示法に基づく権限を有しています。