現況有姿
げんきょうゆうし
現況有姿とは、現在あるがままの姿の意味で、現況有姿取引とは、現在のままの状態で取引するものです。
現況有姿とは、現在あるがままの状態をいいます。不動産広告などで、「現況有姿分譲」とか「現状有姿まま取引」などと記載されているもので、
中古住宅に劣化や設備の故障があっても、山林や原野などで電気・ガス・水道などのインフラが整備されていなくても、そのままの状態で取引することを意味します。ただし、法的に明確な定義がされているものではありません。
市街化調整区域の別荘地販売などでみられることがありますが、生活に必要なインフラが整備されていないので、そのままでは暮らすことはできません。
中古物件などで、
リフォームを行わずにそのままで売却するケースなどが該当し、それだけ売価価格が安くなります。ただし、売買契約書に「現況有姿で引き渡す」ことが明記されているからといって、引き渡しまでにその不動産に買主にとって不利な変化が生じていたり、日常生活に相当な支障が生じると判断できる場合など、必ずしも
売主の責任が免れるわけではありません。
市街化調整区域
市街化調整区域とは、市街化を抑制する地域として指定されている区域です。都市計画では、無秩序な市街化を防止して計画的な市街化を進めるために、「市街化区域」と「市街化調整区域」を定めています。この「線引き」を土台として都市計画が定められ、計画的な市街化が図られます。
市街化調整区域は、原則として開発は禁止され、用途地域を定めません。開発を行う場合には、農林漁業用などの限定されたものしか認められません。また、農地転用には許可が必要です。
また、原則として、住宅は建てられません。
市街化調整区域で建物を建てるなどの開発を行うには、都道府県知事などの開発許可が必要です。開発許可は、公益上必要な施設や日常生活に必要な店舗、市街化区域に隣接した地域または条例で指定した区域において環境保全上支障がないと認められた建築物などが対象となります。
中古住宅
中古住宅とは、過去に人が住んだことのある既存住宅のことです。流通物件と呼ばれ、仲介会社を通じて取引されるのが一般的です。また、未入居であっても、完成から1年以上(「フラット35」では築後2年以上)経過したものは、中古に分類されます。
日本では、住宅供給量に占める中古注宅の比率は少なく、欧米の数分の1程度です。しかし住宅ストック数の増加や高齢化を背景に、中古住宅への関心は高くなっています。
中古住宅の価格は、仲介会社などが経験を基に近隣で売買された事例と比較して提案し、それをもとに売主の意向を反映して売出価格が提示されます。しかし、中古住宅は新築に比べて物件ごとの安全性や品質、性能の差が大きく、また、売却を急いでいるかどうかでも成約価格に違いがでるなど、物件と価格の妥当性を客観的に比較検討するには、情報が不十分だといわれてきました。これに対して、住宅性能表示制度を利用した評価など、客観的な情報を積極的に開示するケースも出ています。
中古住宅は新築に比べて価格が手ごろなため、近年は、立地や構造に納得できる中古物件を購入して、自分好みにリフォームする人も増えています。売り手と買い手の双方が納得できる客観的基準の提示によって中古住宅の流通を活性化させるため、既存住宅性能表示制度などが活用され始めています。
リフォーム
リフォームとは、住宅を改築や増築することです。壁紙の張り替えなど室内の雰囲気を変える小規模なものから、トイレ、浴室、キッチンなどの設備を丸ごと取り換えたり、壁を取り払って間取り変更をするなど、大がかりなものまで幅広くあります。また、リフォームの目的も、耐震補強や高齢化に対応したバリアフリー化から、ライフスタイルに合わせた快適さを追求するものまで、さまざまです。
リフォーム費用は、既存建物の状態、リフォームの範囲や規模、採用する設備のグレードなどで大きく違ってきます。築年数が古いほどリフォーム目的も多様になり、高額化する傾向にあります。リフォームの市場が拡大するにつれ、消費者の不安を解消するために「リフォーム瑕疵(かし)保険」を利用したり、アフターサービスや保証期間を設けるなど、サービスの充実も見られます。
売主
売主とは、不動産取引においては、土地や建物などの不動産を売る個人または法人をいいます。購入者にとっては、売買契約を結ぶ相手です。
新築マンションや開発分譲地、建売住宅などでは、デベロッパーや不動産会社などの法人が売主となっているのが一般的です。その場合には、売主または代理会社は宅地建物取引業者であり、取引に際しては、手付金の保全義務やクーリングオフの制度などで消費者が守られています。また、仲介手数料も発生しません。
一方、中古物件では、売主は個人のケースが多くなります。その場合は、一般的に不動産会社が「媒介」することになり、仲介手数料が発生します。
まれに、登記上の所有者と売主が異なる場合、所有者の代理人が売主になっている場合、売買契約に売主ではなく代理の人が立ち会う場合などがあります。そのような例外的なケースでは、契約の前に本人確認や委任状の確認が重要となります。