エスクロー
えすくろー
エスクローとは、商取引の際に売主と買主の間に立って安全な取引をサポートすることです。
エスクローとは、アメリカの不動産取引で発達してきた取引方法で、
売主と買主の間に立って、第三者の立場で決済までの安全な取引を担保するものです。「Escrow」とは、預託という意味で、条件が成立するまで第三者に預けることです。
アメリカのエスクローは州政府によって許可を得ている第三者機関です。不動産取引の際に、買主はエスクローに売買代金を預けます。エスクローは売買契約書の内容を確認し、記載内容通りの条件であれば売買を完結させ、
売主に代金を支払います。取引内容と異なる場合には、取引を破棄することができ、エスクローが間に入ることで、安心して取引ができるというものです。
日本では、エスクローに対する認可制度はありませんが、資金移動業として地方財務局登録することで、1回の送金額が100万円以下であればエスクローサービスを手がけることができます。また、インターネットを通じた
不動産オークションをサポートするシステムも登場しています。
不動産オークション
不動産オークションとは、オークションによる不動産取引です。売却したい不動産をオークションに出し、広範な買い手の中から最も高い入札価格を提示した人に売却するものです。競売物件とは別に、一般の新築・中古・土地などの物件が対象です。不動産の流通の課題といわれてきた情報の透明化や市場の活性化において、期待されている新たなシステムです。オークションによる不動産取引は、米国などでは強力なサイトの登場によって定着してきました。日本でも1990年代後半に新しいシステムが登場し、不動産のオークション市場は徐々に拡大しています。従来の流通物件は相対取引で、取引内容や条件など個別性が大きいものですが、オークションの場合には、査定に基づいた出品価格が提示され、広告やインターネットで広く購入希望者を募ります。その結果、情報の透明性が生まれ、市場の活性化にもつながります。
なお、実際の落札・契約に際しては、購入希望者は事前に物件を内覧できるなど、相対取引と変わらない丁寧な販売活動が実施されているようです。
売主
売主とは、不動産取引においては、土地や建物などの不動産を売る個人または法人をいいます。購入者にとっては、売買契約を結ぶ相手です。
新築マンションや開発分譲地、建売住宅などでは、デベロッパーや不動産会社などの法人が売主となっているのが一般的です。その場合には、売主または代理会社は宅地建物取引業者であり、取引に際しては、手付金の保全義務やクーリングオフの制度などで消費者が守られています。また、仲介手数料も発生しません。
一方、中古物件では、売主は個人のケースが多くなります。その場合は、一般的に不動産会社が「媒介」することになり、仲介手数料が発生します。
まれに、登記上の所有者と売主が異なる場合、所有者の代理人が売主になっている場合、売買契約に売主ではなく代理の人が立ち会う場合などがあります。そのような例外的なケースでは、契約の前に本人確認や委任状の確認が重要となります。