埋立地とは、川や海、湖などを埋め立てて、人工的に造成した土地です。
埋立地の歴史は古く、大阪や東京では、その昔から埋め立てとともに町が形成されてきました。埋立地には陸続きに埋立地を形成する場合と、水面を囲んでその中に土砂などを入れて島を形成する場合があります。埋立には、河川の浚渫土砂や都市のゴミなどが使われ、都市の廃棄物の処分場としての役割を果たしてきました。
また、埋立地は、海や川に面して形成されるため、船運など物流拠点を多く抱えます。近年では、集中する都市人口に対して住宅地を確保する役割も果たしてきました。
埋立地は広大な土地が確保でき、計画的に大規模な開発ができるため、整然とした街づくりが可能です。しかし、海や川を埋め立てているため地盤は極めて軟弱です。大阪では、阪神・淡路大震災によって埋立地で
液状化による被害が発生しました。また、東日本大震災では、千葉県沿岸部の埋立地で
液状化現象によって家が傾くなどの被害がありました。
液状化によって、家屋などの資産は大きな被害を受けます。東京都や大阪市では、
液状化予測図を公開しています。
液状化のリスクが高い立地では、
地盤改良や耐震性の高い建築物を建てるなどの対策が必要です。地盤の強度やリスクを知ることで、あらかじめ対策を講じることが大切です。
液状化
液状化とは、地震の振動などで地盤が泥水化する現象で、建物や道路が傾いたり、沈下したり、水道管などが浮き上がって破損するなど、大きな被害をもたらすことがあります。ゆるい砂地盤の海岸や河口付近、埋立地、河川の扇状地などで発生しやすく、東日本大震災では広範に被害が及びました。液状化は、建築物が受ける直接被害に加えて、道路の寸断や上下水道の切断などライフラインに影響します。また、一度液状化した地盤は、再液状化のリスクも抱えます。そのため、リスクエリアでの地盤調査と対策は大変重要です。
液状化対策には、地盤改良と建築物の対策の2つの方向があります。地盤改良には、地盤を締め固める、安定剤などで固める、地下水を抜くなどの方法があります。建築物の対策では、支持層と呼ばれる硬い基盤まで杭を打ち込むなどの方法があります。
なお、液状化のリスクについては、液状化ハザードマップなどを参考にすることができます。
地盤改良
地盤改良とは、建物の基礎地盤を安定させるため、地盤自体の強度を高めることをいいます。軟弱な地盤に対して、液状化や地盤沈下などによる被害を避けるために施される工事の一つです。
地盤改良の方法には、地盤の中の水を抜く方法や、地盤に地盤固化材を混ぜて固める工法があります。地盤を固める工法は、軟弱地盤の深さによって適する工法が異なります。2m以内程度と比較的浅い場合には、地盤全面にわたって元の土とセメント系固化材を混ぜ合わせて固める、表層改良工法が一般的に採用されます。軟弱地盤が深部に及ぶ場合や超軟弱地盤の場合には、セメントミルク(セメント系固化材と水を混ぜたもの)を地盤の中に注入撹拌して、柱状の改良杭をつくる杭状改良工法が選択されます。そのほか、砕石を用いる工法などもあり、さまざまな地盤改良技術の発展がみられます。