Q値
きゅーち
Q値とは、熱損失係数というもので、建物の断熱性能を表わします。
Q値とは、熱損失係数というもので、室内外の温度差が1℃のときに、建物全体から1時間に逃げ出す熱量を床面積で割った数値です。数値が小さいほど、断熱性能が優れていることを表わします。
室内より室外温度が低い場合には、
屋根や壁、床、
窓、玄関などから熱量が逃げていきますが、断熱工法などで熱損失量を抑制することが可能です。また、隙間風や換気によっても熱を失いますが、気密性を高めることや熱交換型換気によっても熱損失量は抑制されます。
Q値は、
屋根・天井・
窓・壁・床などからの熱損失量と換気による熱損失量の合計を
延べ床面積で割って算出します。単位はW/m
2Kで表わします。
延べ床面積
延べ床面積とは、建物の各階の床面積の合計のことです。延べ床面積は容積率を超えて建てることはできません。
床面積の算定は、柱または外壁の中心線を基準とします。ただし、ピロティ、ポーチなどで壁や扉、柱などがなく、屋内的な用途で使用されない場合は、床面積に算入されません。吹きさらしの廊下、バルコニーは先端から2mまでの部分、一定条件の出窓なども算入されません。また、ロフトや小屋裏は、設置される階の床面積の2分の1未満で天井高が1.4m以下、地下室は全床面積の3分の1未満、ビルトインガレージは全床面積の5分の1未満であれば、床面積に算入されません。このような空間は、限られた敷地内で容積率の範囲の中で、収納や作業スペースとして有効活用することもできます。
窓
窓は、採光、通風、換気、眺望などのために設けられる開口部です。風通しや断熱性など、窓の機能は四季を通じた室内の快適性に大きく影響します。また、外観デザインや室内空間、窓からの眺望など、ビジュアル面でも窓の役割は重要な要素となっています。
窓の種類は、取り付けられる位置により、次のような分類があります。
・掃き出し窓・・・・・窓枠の底辺が床面近くまである窓。リビングなどに設けられる大型の窓をいいます。
・腰高窓・・・・・窓枠の底辺が腰ほどの高さにある窓。
・出窓・・・・・建物の外に張り出す形で設置する窓。
・天窓・・・・・天井に設置する窓。トップライトともいいます。
また、開閉方法による分類では、次のようなものがあります。
・引き違い窓・・・・・横に引いて開け閉めする窓で、日本では最も一般的な窓です。
・はめ殺し窓・・・・・開閉できない窓です。フィックス窓ともいわれ、採光のために設けます。
・外開き窓・・・・・外に向かって開く窓で、片開きと両開きがあります。
・内倒し窓・・・・・室内に向けて倒れるように開く窓です。
そのほか、「回転窓」「滑り出し窓」「上げ下げ窓」「ルーバー窓」など、多彩な種類があります。
また、サッシやガラスの素材も豊富で、それぞれに性能や特徴があります。
屋根
屋根とは、風雨や日射から建物を守るために、建築物を覆うように設けられた構造物です。気候や風土によって特徴があり、形状や屋根材の種類もさまざまです。
屋根の形状および屋根材を決めるうえで、基本として求められるのが、耐震性、防水性、防火性、耐久性、断熱性などです。特に木造住宅の場合には、屋根材の重量によって、耐震性を確保するために構造上、壁の量を増やす必要などもあります。また、素材によって雨漏りを起こさないための屋根の勾配も規定されます。
屋根の形状には、切妻(きりづま)、寄棟(よせむね)、陸屋根(りくやね)、片流れ(かたながれ)、入母屋(いりもや)、方形(ほうぎょう)、鋸屋根(のこぎりやね)、バタフライなどがあります。
屋根材には、瓦などの粘土系、セメントなどを加工した化粧スレート、石を板状にした天然スレート、金属系のガルバリウム鋼板、銅板などがあります。