介護療養型医療施設
かいごりょうようがたいりょうしせつ
介護療養型医療施設とは、介護保険サービスの一つで、重医療・要介護高齢者のための長期医療施設です。
介護療養型医療施設とは、
介護保険制度に基づく介護サービスの一つです。医療に重点を置いた施設で、病状が安定期にあって、長期に療養や介護が必要な高齢者のための施設です。
入居の対象となるのは、65歳以上で要介護1以上の人です。医療機関での急性期の治療が終了し、病状が安定していて、長期間の治療が必要な人を対象としています。具体的には、脳血管疾患や心疾患などの急性期治療を終えた人などで、医療ケアにおいては万全な態勢が要求されます。また、看護師や理学療法士など医療スタッフによるリハビリや、介護スタッフによる生活サポートなどが提供されます。
費用については、入居一時金は不要で、家賃・食費・水道光熱費などの月額使用料がかかります。居室は数人の相部屋が一般的で、個室は一部のみです。また、実際の入居にあたっては、重度の医療措置が必要な人が優先されます。
介護療養型医療施設は、必ずしも医療や介護を必要としない入所者が少なくないという問題があり、医療コストや社会保障費などの面から、平成29年度に廃止される予定でした。しかし、受け入れ先に想定していた新型老健への転換が進まず、一律廃止の方向は見直されています。
介護保険制度
介護保険制度とは、介護が必要となった高齢者やその家族を支えるためのサービスです。
介護を社会全体で支えることを目的に、2000年にスタートし、何度かの改正を重ねています。介護保険制度は、40歳以上の人が支払う保険料と税金によって市区町村が運営し、都道府県と国がサポートします。介護サービスを受けるに当たっては、「要支援」や「要介護」の認定を受けます。「要介護」認定を受けると「ケアプラン」が作成され、それに基づいて介護サービスが受けられます。サービスには、在宅サービスと施設入所があります。在宅サービスを受けた場合は、介護報酬の1割を自己負担します。施設としては「特別養護老人ホーム」「介護老人保健施設」「特別養護老人ホーム」がありますが、施設の多くは要介護3以上の人でないと入所は難しくなっています。
なお、2011年には「サービス付き高齢者向け住宅」が制度化されました。これにより、「在宅」「施設」以外の第三の選択肢として注目されています。