漆喰
しっくい
漆喰とは、消石灰を主成分とする塗り壁材のことです。
漆喰とは、消石灰に糊や繊維(おもに刻んだ麻などの植物繊維)を加え、水とともに練り込んだものです。防火性や調湿性が高く、古くから建築材として利用されてきました。日本では寺院や蔵などに使用され、伝統的な木造建築の内
外装の仕上げ材として使用されます。漆喰を用いた壁を漆喰壁と呼び、コテなどで塗りつけます。
消石灰は、石灰石(生物を起源とする鉱物)を高温で焼成し、水と作用させて精製します。漆喰壁は、主成分の消石灰が空気中の炭酸ガスを取り込んで硬化(炭酸化)します。漆喰壁は
VOC(揮発性有機化合物)の心配が少なく、防カビ効果やニオイを吸収する効果も期待できます。
漆喰壁は、伝統的な白を基調としながらも、現在では多彩な色彩がラインナップされています。
VOC
VOCとは、Volatile Organic Compoundsの略で、揮発性有機化合物のことです。大気中においては光化学大気汚染を引き起こす原因物質であり、住居ではシックハウス症候群の原因となります。大気汚染防止法によって工場などには排出基準が規制されており、建築物は建築基準法によってシックハウス対策のための規制が導入されています。
シックハウスの原因となるVOCは、床材や壁材、塗料、接着剤、合成樹脂、断熱材、家具、防カビ材、殺虫剤などさまざまなものがあります。厚生労働省はシックハウス症候群の原因と推定される物質として、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、クロルピリホス、トルエン、キシレン、エチルベンゼンなど、13種類のVOCについて、室内濃度の暫定目標値を定めています。また、2003年の建築基準法改定で、ホルムアルデヒドに関する建材の使用制限や換気設備の設置義務、クロルピリホス(しろあり除去剤)の使用禁止などが定められました。 シックハウス症候群の原因物質は、さまざまな製品に使用されている可能性があり、建材にまったく使用されていない居室であっても対策は必要とされています。化粧品やタバコ、天然の材木などが発生源となることもあり、室内換気が重要です。
外装
外装とは、建物の屋外部分の装飾や仕上げのことで、外壁や屋根を指します。地域によっては地区協定などで、外装に規制を設けている場合もあります。また、防火地域・準防火地域における規制もあります。
外装は、外から見える建物の姿であり、好みの意匠を表現します。マンションも一戸建て住宅も、多種多彩なデザインやカラーで個性を表現することが可能です。
一方で外装には、建物を守る重要な機能があります。主には、風雨を防ぐ、外部からの火災による延焼を防ぐ、外気温の影響を和らげる、建物の躯体構造を保護して地震でも脱落しない、といった機能が求められます。
外装材の選択には、デザインと機能の両面を考慮することが大切です。また、長期間にわたって建物を保護するには、メンテナンスも重要です。