欄間
らんま
欄間とは、天井と鴨居の間などに設けられた開口部のことです。
欄間とは、天井と
鴨居の間や、
窓や出入口の上部に設けられた
開口部です。部屋と部屋、部屋と廊下の間などに、通風や
採光、換気を目的に設けられます。欄間には、障子や格子のほか、彫刻や透かし彫りなどがはめ込まれて、室
内装飾ともなります。
欄間は寺社建築から発展してきましたが、江戸時代頃から裕福な商家などの家屋にも取り入れられ、現在でも伝統的な日本家屋の品格をもたらす設えとして受け継がれています。欄間の種類には、彫刻欄間(木目を活かして風景や動物などを立体的に彫ったもの)、透彫(すかしぼり)欄間(板に絵柄を彫ったもの)、筬(おさ)欄間(細かい材料を縦に組み込んだもの)、埋め込み欄間(別の木で彫刻したものをくりぬいた部分に埋め込んだもの)など、繊細で優美な伝統工芸が今も守られています。
また、欄間の施される場所により、部屋と部屋の境目に入れるものを「間越し欄間」、部屋と縁側の境目に入れるものを「明り欄間」とよびます。
鴨居
鴨居とは、引き戸などの開口部の上部に設けられた横木です。敷居と対になっています。
引き戸や襖、障子などの建具をはめ込むために、上部には溝を、下部にはレールが設けられます。その上部を鴨居、下部を敷居と呼びます。鴨居には通常2本の溝が彫られています。鴨居の種類には、片引き戸などで溝が1本の「一筋鴨居」や、建具を入れないため溝が入らない「無目(むめ)鴨居」、壁に本来の鴨居と同じ高さに取り付ける「付け鴨居」などがあります。
採光
採光とは、自然の光を窓などから室内に取り入れることをいいます。建築基準法では、住宅の居室について、居室の床面積の1/7以上の採光に有効な開口部の面積が必要と規定されています。ただし、「採光」とは直射日光のことではないので、北側の窓が「採光に有効な窓」となる場合もあります。有効な採光面積は、用途地域や部屋の大きさ、窓の大きさによって決定されます。ただし、納戸やトイレ、浴室、洗面室などは対象となりません。
隣家が迫っている住宅密集地などでは、採光を確保するために、天窓やライトコートを設けるなど、さまざまな工夫が見られます。また、日当たりを調節するには、カーテンやブラインド、反射ガラスなどを利用します。
内装
内装とは、建物における内部の仕上げや室内の装飾、付随する設備などをいいます。床や天井、壁などの仕上げや装飾、室内の扉、家具、キッチンなどの下地や仕上げ材、造作建具、照明などを指します。
内装に用いる建材や仕上げ材などは、製品によって価格の幅も大きく、特性も異なります。新築時やリフォームに際しては、ライフスタイルや用途、こだわりに応じた建材などの選択が可能です。
例えば床では、地元産の檜や杉などを用いた無垢材のフローリングで、木の香りや肌触り、耐久性、高級感、自然との調和といったものを手に入れることもできます。一方、子どもが汚したり傷つけることを前提に、掃除のしやすいクッションフロアにすることも選択肢の一つです。
内装の設えは、美観と機能の両面があり、耐火性や防音性など機能面の配慮も大切です。
窓
窓は、採光、通風、換気、眺望などのために設けられる開口部です。風通しや断熱性など、窓の機能は四季を通じた室内の快適性に大きく影響します。また、外観デザインや室内空間、窓からの眺望など、ビジュアル面でも窓の役割は重要な要素となっています。
窓の種類は、取り付けられる位置により、次のような分類があります。
・掃き出し窓・・・・・窓枠の底辺が床面近くまである窓。リビングなどに設けられる大型の窓をいいます。
・腰高窓・・・・・窓枠の底辺が腰ほどの高さにある窓。
・出窓・・・・・建物の外に張り出す形で設置する窓。
・天窓・・・・・天井に設置する窓。トップライトともいいます。
また、開閉方法による分類では、次のようなものがあります。
・引き違い窓・・・・・横に引いて開け閉めする窓で、日本では最も一般的な窓です。
・はめ殺し窓・・・・・開閉できない窓です。フィックス窓ともいわれ、採光のために設けます。
・外開き窓・・・・・外に向かって開く窓で、片開きと両開きがあります。
・内倒し窓・・・・・室内に向けて倒れるように開く窓です。
そのほか、「回転窓」「滑り出し窓」「上げ下げ窓」「ルーバー窓」など、多彩な種類があります。
また、サッシやガラスの素材も豊富で、それぞれに性能や特徴があります。
開口部
開口部とは、建物の壁などに設けられた窓や出入口など屋外や室外に向かって開かれた部分です。リビングや居室の窓、天窓、玄関や室内ドアなどをいいます。
開口部は、採光、換気、通風、眺望、通行などの役割があります。床面積に対して一定以上の開口部がなければ、居室と呼べません。
開口部の位置や広さは、建築物の躯体強度に影響するほか、通風や採光などの居住空間の快適性や断熱性なども左右します。また、リビングに大きな窓を設けて眺望を楽しんだり、隣家との距離や視線を考慮して開口部の位置や高さを工夫するなど、室内からの視界、外部からの視線なども考慮することが大切です。
また、出入口として使用する開口部は、開閉に必要なスペースや開閉時の安全性なども考慮されます。