パラペット
ぱらぺっと
パラペットとは、屋上やバルコニーなどの外周部に立ち上げた手すり壁のことです。
パラペットとは、建物の
陸屋根(平らな
屋根)や
バルコニー、
吹抜け廊下などの周囲を取り囲むように設けられた低い壁のことです。外周部を立ち上げる形で作られ、胸壁(きょうへき)とも言われます。また、店舗の屋上や正面に看板を取り付けるなど、意匠のために設けられる壁を指すこともあります。
屋上や
バルコニーに設けられるパラペットは、建物の先端を保護し、防水効果を高めることを目的とし、また、人の転落防止の役割もあります。
意匠として施されるパラペットは、
輸入住宅などで個性的な形状をもった外観デザインとして採用されることもあります。
なお、パラペットという言葉は、元々は胸の高さの防壁を意味します。戦場で敵の弾を防ぎ兵士を守るための
盛り土のことや、城郭や要塞などに設けられた防御用の胸壁のことも、パラペットと呼びます。
バルコニー
バルコニーとは、マンションなどの屋外に張り出した床のことです。
室内空間の延長として、掃き出し窓などの先に設けられ、屋根や天井はなく、手すりが付いています。上階のバルコニーが屋根の代わりになります。バルコニーは広さや用途によって、アウトドアリビングとして活用できる「リビングバルコニー」や、コンパクトで室外機置場やゴミ置場などに利用される「サービスバルコニー」などがあります。また、階下の屋根を利用した広い「ルーフバルコニー」もあります。
分譲マンションの場合、バルコニーは共用部分に属します。居住者だけが使用できる専用使用権はありますが、改造したり、物置などの固定物を設置することはできません。バルコニーは消防法で、緊急時の避難通路とされています。そのため、避難時の障害にならないように管理規約等にはバルコニーの使用制限が定められています。
輸入住宅
輸入住宅とは、明確な定義があるわけではありませんが、海外の設計思想を基本として、資材などを輸入し、国内に建築する住宅をいいます。
輸入住宅は在来工法やプレハブ住宅と対比して使われる言葉で、欧米の住宅の文化や設計思想を踏襲するものです。最大の特徴が設計思想で、文化に根差したデザインの洗練さと、厳しい気候に対応した高気密・高断熱性などの機能性が大きな魅力です。また、広く開放的なリビングなど、日常の生活にゆとりやぜいたくを感じさせる間取りも人気の理由です。
輸入住宅は大きく分けて北米系と北欧系があり、それぞれのスタイルに特性があります。国別では、カナダ、米国、スウェーデン、フィンランドなどが中心です。気密・断熱性、耐火性、防音性などの基本性能が高く、また、設計モジュール(基本寸法)が日本のものよりひとまわり大きく、空間に広がりがあります。
吹抜け
吹抜けとは、2階建て以上の建物で、上階部分に床を設けずに、上下連続した高さのある空間をいいます。玄関ホールやリビングなどに吹抜け部分を設けると、天井の高さが2層以上になり、開放的な空間ができあがります。
日本の伝統的家屋では、土間や囲炉裏の上部を吹抜けとしているものがあります。洋風建築では、高い天井が好まれ、玄関ホールや建物の中心部に吹抜けを設ける例がよく見られます。
最近では、建築技術の進歩によって、ホテルやショッピングモール、大型ビルなどで、巨大な吹抜けのある建築物も登場し、開放感と同時に近未来的な雰囲気も醸し出しています。
住宅においても吹抜けを採用するケースは増えており、上部からの採光の確保や上下階で連続性を持たせるなどの効果があります。一般的には、吹抜けによって冷暖房効果が落ちますが、建物自体の断熱性を上げることでかなりカバーされるようです。
屋根
屋根とは、風雨や日射から建物を守るために、建築物を覆うように設けられた構造物です。気候や風土によって特徴があり、形状や屋根材の種類もさまざまです。
屋根の形状および屋根材を決めるうえで、基本として求められるのが、耐震性、防水性、防火性、耐久性、断熱性などです。特に木造住宅の場合には、屋根材の重量によって、耐震性を確保するために構造上、壁の量を増やす必要などもあります。また、素材によって雨漏りを起こさないための屋根の勾配も規定されます。
屋根の形状には、切妻(きりづま)、寄棟(よせむね)、陸屋根(りくやね)、片流れ(かたながれ)、入母屋(いりもや)、方形(ほうぎょう)、鋸屋根(のこぎりやね)、バタフライなどがあります。
屋根材には、瓦などの粘土系、セメントなどを加工した化粧スレート、石を板状にした天然スレート、金属系のガルバリウム鋼板、銅板などがあります。
陸屋根
陸屋根とは、ほとんど傾斜のない平らな屋根をいいます。ビルやマンション、鉄骨造の住宅などで採用されることの多い屋根の形です。
陸とは、平坦、水平などの意味で、屋根には瓦を葺かないため、コスト面でも安くなります。また、屋上スペースを活用することができ、太陽光発電を設置したり、屋上庭園を設けることもできます。
従来の木造住宅では、陸屋根は雨漏りしやすいという理由でほとんど採用されることがありませんでした。また、住宅瑕疵(かし)担保責任保険などでも、木造住宅では勾配屋根であることが前提とされていました。しかし、防水技術などの進歩によって、現在では木造住宅においても陸屋根を採用し、屋上に菜園などを設けることも可能になっています。
盛り土
盛り土とは、傾斜地や低地を宅地造成するときに、土砂を盛って平らな敷地にする造成です。宅地造成には、斜面を削って平らにする「切り土」と、古い地盤の上に土を盛って平らにする「盛り土」があります。「切り土」の地盤は比較的安定していますが、「盛り土」は十分な締め固めができていないと、地震や大雨などで地盤が緩み、地滑りや液状化を起こす危険があります。また、建物の重さによって不同沈下を起こすことがあります。
過去の災害でも、「盛り土」での被害は少なくありません。宅地造成規制法によって規制区域内の宅地造成には都道府県知事の許可が必要ですが、同法が施行された1962年以前の造成については規制がありません。
なお、大規模盛土造成地について情報公開している自治体もあります。敷地の安全性を確認する上では、不動産会社や自治体に問い合わせることも、一つの方法です。
地盤の強度が不十分であれば、地盤改良工事が必要となります。