共用施設
きょうようしせつ
共用施設とは、マンションなどで住人が共同で使用できる施設です。
共用施設とは、マンションの共有部分のうち、住人が共同で利用できる施設のことで、コモンスペースなどとも呼ばれます。
大規模マンションや高級マンションの魅力の一つに、共用施設の充実があります。例えば、
エントランスロビーやラウンジなどが充実していると、来客を自宅に通さずに対応することができます。
キッズルームや集会室など、住人同士のコミュニケーションに役立つ施設を備えているものもあります。そのほか、
ゲストルームやコンシェルジュ、コンビニ、フィットネスクラブ、
パーティールームなど、多彩な共用施設があります。
ただし、共用施設が充実しているほど、それらの維持
管理費は高くなります。あまり使用しない共用施設があっても、
管理費などの負担が大きくなるだけなので、自分に合った施設があるかどうかを検討することが大切です。
エントランス
エントランスとは、正面玄関に面した建物の出入口をいいます。最初に人を迎え入れる所で、建物の顔ともいえる空間です。一戸建てでは、エントランスポールや外灯、郵便ポストなどが設けられ、家人や来客を迎えるための装飾や防犯対策が施されます。マンションでは、広い「エントランスホール」を設けて、建物の個性やステイタスを演出している例もあります。来客の応接スペースや住民間のコミュニティスペースが設けられているものもあります。また、宅配ボックスや管理人室、クロークなども置かれます。また、不審者の侵入をシャットアウトするための防犯対策なども施されます。
管理費
管理費とは、マンションの共用部分などの維持管理のための費用です。費用は、共用施設や設備の点検・保守、敷地や共用部分の清掃費、管理人の人件費、共用部分の水道光熱費、損害保険料、管理組合運営費または管理会社への委託手数料などです。費用を1戸当たりの月額に割り振って、マンションの区分所有者が管理組合に支払います。
管理費は月額2万円前後が一般的ですが、管理の内容によって金額は異なります。マンションの中には、住民が持ち回りで清掃などを行って、管理費を節約しているケースもあるようです。
なお、マンションの維持管理に必要なものとして、長期的な修繕費用がありますが、こちらは修繕積立金として積み立てます。
賃貸マンションなどで、家賃と別に共用部分の維持管理費として支払うものも、管理費または共益費といいます。
キッズルーム
キッズルームとは、マンションなどで、就学前の小さな子どもを遊ばせるためにコミュニティスペースとして設けられるものです。若いファミリーなどを対象として、ママ同士の交流の場所としたり、マンションによっては事業者と提携して保育サービスを提供しているものもあります。
広さや設えもさまざまで、活用のされ方も一様ではありません。乳幼児を抱えたファミリーが多いマンションでは、積極的に活用されているケースもありますが、年齢層の移り変わりによって利用されなくなったり、あるいはキッズ以外の社交場に衣替えする例もあります。
また、キッズルームが気持ちよく活用されるためには、掃除や衛生面での管理が重要な要素となっているようです。
ゲストルーム
ゲストルームとは、マンションの共用施設で、来客用に設けられた宿泊ルームです。
大規模マンションや高級マンションでは、共用施設にゲストルームを設けることが多く、遊びに来た両親や友人に泊まってもらうことができます。利用料は、共用施設のため、清掃費程度でホテルよりかなり安く利用できます。また、タワーマンションなどの高層階にゲストルームを設け、眺望やゴージャスな雰囲気を楽しめるものもあります。来客でなくても、住人が気分転換に宿泊することも可能で、タワーマンションの低層階を購入して、ゲストルームで眺望を楽しむという利用方法もあるようです。
ゲストルームの人気が高いマンションもあり、心地よいゲストルームほど予約が取りにくいのが難点です。
パーティールーム
パーティールームとは、イベントや集会を催すことができる専用の共用スペースです。入居者だけでなく、友人や親戚を招いて利用することが可能な場合が多くあります。大規模マンションの共用施設として設置されることが多く、クリスマスなど季節のイベントや、お誕生日会などが楽しめます。 多くは給排水設備があり、キッチン付きの場合はその場で料理もできます。
大規模マンション
分譲マンションの規模は、小さいもので10戸程度から大きくなると数千戸まで幅広く分布していますが、その中でも総戸数が100戸を超えるようなものを大規模マンションと呼びます。 一般的には、規模が大きくなるほど様々な共用施設が付設されるので、敷地内で楽しめることも多くなります。
一方、小規模マンションは目立った共用施設が設けられないが、住民同士の意思疎通がスムーズになり、管理なども行き届く場合が多くなります。
マンションの規模と呼び名に関して明確な区分はありませんが、一般的に以下のように考えられています。
総戸数50戸未満
小規模マンション。入居者同士がお互いの顔を覚えられるスケール。
総戸数50~99戸以下
中規模マンション。集会室の他に、中庭などが設けられる場合があります。
総戸数100~299戸以下
大規模マンションといえるレベル。キッズルームなど2、3の共用施設が設けられることがあります。
総戸数100~499戸以下
大規模マンション。ゲストルームなど3~5の共用施設が設けられることがあります。
総戸数500戸以上
非常に大規模なマンション。大浴場やプールなど大型の共用施設が可能となる規模です。