防災備蓄設備
ぼうさいびちくせつび
防災備蓄設備とは、主に災害時に備えて設けられているマンションの設備のことです。
一般的な防災備蓄設備には、
消火設備や避難設備などが挙げられ、ほとんどは
建築基準法や消防法によって設置や点検が義務付けられています。最近では、大規模な地震・災害時にに対応するため、非常用の水や食糧、電池などを備えた防災倉庫を設けるマンションも増えています。
また、
大規模マンションでは、
敷地が広域避難場所に指定されているケースがあります。居住者だけでなく、地域住民の避難場所として活用されるので、災害時に炊き出しカマドになる「ベンチ兼用炊き出しカマド」や、防火水槽などの防災備蓄施設が準備されていることがあります。
建築基準法
建築基準法とは、建物を建てるときの基本的な法律です。建築物の敷地・構造・設備・用途の最低基準を示し、用途地域や日影規制などエリアによって守るべき事項などが定められています。建物の利用者や近隣住民の生命・健康・財産を守ることを目的に、1950年に施行されました。基準の具体的な技術水準などは、建築基準施行令や施行規則などで詳細が規定されています。また、基準が実効性をもつように、着工前の建築確認や工事中の中間検査、完了検査、違法建築物の是正措置なども定められています。
建築基準法はこれまでに何度も改定を重ねています。1981年には現在の耐震基準が導入、2003年にはシックハウス対策の規定導入、2007年には耐震偽装事件を受けて建築確認審査の厳格化が図られました。中古マンションを選ぶ際には、いつ建てられたかによって基準が異なるため、築年は大まかな安全性を見るときの一つの目安にもなります。
敷地
敷地とは、建物が立っているか、これから建物を建てる土地のことです。敷地面積は、その土地の面積のことで、水平投影面積をいいます。水平投影面積とは、土地や建物を真上から見たときの面積で、傾斜や凹凸があっても、水平として測定した面積になります。
敷地面積には、登記簿に記載された登記簿面積(地積)と実測面積が異なっている場合があります。そのため、土地の売買契約などにおいては、土地家屋調査士などの専門家による実測をしてからというのが鉄則です。
なお、住宅を建てるために土地を購入するときには、接道条件などによっては、土地面積の一部が敷地面積に算入できないので、注意が必要です。また、敷地面積だけでなく、建物の配置や駐車場のスペースなども考慮しましょう。
消火設備
消火設備とは、建物の火災の消火および延焼防止のための設備です。消防法により、建物の種別や構造、用途や大きさ、耐火性などによって設置すべき基準が定められています。
特に共同住宅であるマンションは防火対象物として、技術基準に適合した設備を設置し、定期点検なども義務付けられています。
消火設備とは、具体的には、消火器、屋内消火栓設備などをいいます。消火器はABC粉末消火器が一般的で、これはA(普通)、B(油)、C(電気)火災を意味し、あらゆる原因の出火に対応できるものです。耐用年数は10年で、設置しなければいけない本数は延べ床面積によって決まります。
屋内消火栓は消火器では消火不可能な階段の消火などを目的として、共用廊下などに設置され、消防隊員が到着する前に住民が使用するケースも想定されている消火設備です。
このほか、マンションの11階以上にはスプリンクラー設備の設置が義務付けられています。また、一定以上の広さの駐車場については、水噴霧・泡・不活性ガス・ハロゲン・粉末のいずれかの消火設備の設置が規定されています。
大規模マンション
分譲マンションの規模は、小さいもので10戸程度から大きくなると数千戸まで幅広く分布していますが、その中でも総戸数が100戸を超えるようなものを大規模マンションと呼びます。 一般的には、規模が大きくなるほど様々な共用施設が付設されるので、敷地内で楽しめることも多くなります。
一方、小規模マンションは目立った共用施設が設けられないが、住民同士の意思疎通がスムーズになり、管理なども行き届く場合が多くなります。
マンションの規模と呼び名に関して明確な区分はありませんが、一般的に以下のように考えられています。
総戸数50戸未満
小規模マンション。入居者同士がお互いの顔を覚えられるスケール。
総戸数50~99戸以下
中規模マンション。集会室の他に、中庭などが設けられる場合があります。
総戸数100~299戸以下
大規模マンションといえるレベル。キッズルームなど2、3の共用施設が設けられることがあります。
総戸数100~499戸以下
大規模マンション。ゲストルームなど3~5の共用施設が設けられることがあります。
総戸数500戸以上
非常に大規模なマンション。大浴場やプールなど大型の共用施設が可能となる規模です。