アトリウム
あとりうむ
アトリウムとは、天窓のある広間のことです。
アトリウムとは、天
窓から自然の光を取り入れた、広々とした
吹抜け空間をいいます。ホテルやオフィスビルのロビー、マンションの
エントランス、大規模な商業施設などに設けられます。
もともとは古代ローマの住居にあった中庭で、
屋根の中心部に大きな天
窓があり、床には大理石が敷き詰められ、中央には雨水を受ける水盤が置かれていました。アトリウムは人々が集うコミュニケーション広場の役割もありました。
現代建築におけるアトリウムは、20世紀後半から世界的に流行します。その背景には、建物が密集する都市空間で、
採光と開放感を実現することにありました。
吹抜けの上部はガラスやアクリルパネルなどの光を通す
屋根で覆い、全天候型の
オープンスペースとして使用されるものもあります。
エントランス
エントランスとは、正面玄関に面した建物の出入口をいいます。最初に人を迎え入れる所で、建物の顔ともいえる空間です。一戸建てでは、エントランスポールや外灯、郵便ポストなどが設けられ、家人や来客を迎えるための装飾や防犯対策が施されます。マンションでは、広い「エントランスホール」を設けて、建物の個性やステイタスを演出している例もあります。来客の応接スペースや住民間のコミュニティスペースが設けられているものもあります。また、宅配ボックスや管理人室、クロークなども置かれます。また、不審者の侵入をシャットアウトするための防犯対策なども施されます。
オープンスペース
オープンスペースとは、マンションや大規模なビルの敷地内に設けられた、建物の立っていない空き地のことです。
オープンスペースは、公園や遊び場、植栽が施された遊歩道などに利用されます。マンションの住民にとっては憩いの空間となり、また、小川や緑道などを設けることで、ヒートアイランド現象の緩和にも貢献します。
オープンスペースは、空地率としてパーセンテージで表示され、空地率が高いほどゆとりや開放感が生まれ、住環境が良いとされています。中には空地率50%を超えるものやそれ以上のマンションもあります。
なお、オープンスペースのうち、マンションの住民以外も自由に出入りできるものは、「公開空地」と呼ばれます。
採光
採光とは、自然の光を窓などから室内に取り入れることをいいます。建築基準法では、住宅の居室について、居室の床面積の1/7以上の採光に有効な開口部の面積が必要と規定されています。ただし、「採光」とは直射日光のことではないので、北側の窓が「採光に有効な窓」となる場合もあります。有効な採光面積は、用途地域や部屋の大きさ、窓の大きさによって決定されます。ただし、納戸やトイレ、浴室、洗面室などは対象となりません。
隣家が迫っている住宅密集地などでは、採光を確保するために、天窓やライトコートを設けるなど、さまざまな工夫が見られます。また、日当たりを調節するには、カーテンやブラインド、反射ガラスなどを利用します。
吹抜け
吹抜けとは、2階建て以上の建物で、上階部分に床を設けずに、上下連続した高さのある空間をいいます。玄関ホールやリビングなどに吹抜け部分を設けると、天井の高さが2層以上になり、開放的な空間ができあがります。
日本の伝統的家屋では、土間や囲炉裏の上部を吹抜けとしているものがあります。洋風建築では、高い天井が好まれ、玄関ホールや建物の中心部に吹抜けを設ける例がよく見られます。
最近では、建築技術の進歩によって、ホテルやショッピングモール、大型ビルなどで、巨大な吹抜けのある建築物も登場し、開放感と同時に近未来的な雰囲気も醸し出しています。
住宅においても吹抜けを採用するケースは増えており、上部からの採光の確保や上下階で連続性を持たせるなどの効果があります。一般的には、吹抜けによって冷暖房効果が落ちますが、建物自体の断熱性を上げることでかなりカバーされるようです。
窓
窓は、採光、通風、換気、眺望などのために設けられる開口部です。風通しや断熱性など、窓の機能は四季を通じた室内の快適性に大きく影響します。また、外観デザインや室内空間、窓からの眺望など、ビジュアル面でも窓の役割は重要な要素となっています。
窓の種類は、取り付けられる位置により、次のような分類があります。
・掃き出し窓・・・・・窓枠の底辺が床面近くまである窓。リビングなどに設けられる大型の窓をいいます。
・腰高窓・・・・・窓枠の底辺が腰ほどの高さにある窓。
・出窓・・・・・建物の外に張り出す形で設置する窓。
・天窓・・・・・天井に設置する窓。トップライトともいいます。
また、開閉方法による分類では、次のようなものがあります。
・引き違い窓・・・・・横に引いて開け閉めする窓で、日本では最も一般的な窓です。
・はめ殺し窓・・・・・開閉できない窓です。フィックス窓ともいわれ、採光のために設けます。
・外開き窓・・・・・外に向かって開く窓で、片開きと両開きがあります。
・内倒し窓・・・・・室内に向けて倒れるように開く窓です。
そのほか、「回転窓」「滑り出し窓」「上げ下げ窓」「ルーバー窓」など、多彩な種類があります。
また、サッシやガラスの素材も豊富で、それぞれに性能や特徴があります。
屋根
屋根とは、風雨や日射から建物を守るために、建築物を覆うように設けられた構造物です。気候や風土によって特徴があり、形状や屋根材の種類もさまざまです。
屋根の形状および屋根材を決めるうえで、基本として求められるのが、耐震性、防水性、防火性、耐久性、断熱性などです。特に木造住宅の場合には、屋根材の重量によって、耐震性を確保するために構造上、壁の量を増やす必要などもあります。また、素材によって雨漏りを起こさないための屋根の勾配も規定されます。
屋根の形状には、切妻(きりづま)、寄棟(よせむね)、陸屋根(りくやね)、片流れ(かたながれ)、入母屋(いりもや)、方形(ほうぎょう)、鋸屋根(のこぎりやね)、バタフライなどがあります。
屋根材には、瓦などの粘土系、セメントなどを加工した化粧スレート、石を板状にした天然スレート、金属系のガルバリウム鋼板、銅板などがあります。