ユーティリティとは、家事などに利用される空間をいいます。建物の中で、多目的に利用する作業スペースを意味します。
キッチンや洗濯機置場などの側に配置し、料理と洗濯など複数の家事を同時進行できるようにするなど、家事の効率化に役立つように設けられます。ちょっとしたスペースにカウンターを設けて、家事の合間にパソコンを開いて調べ物ができるようにしたものや、洗濯物の取り込みからアイロンがけ、収納までを効率よく行うための作業スペースなど、
家事動線を考慮したさまざまな工夫がみられます。
家事は日々繰り返されるものだけに、どこで作業をするかは暮らしに大きく影響します。作業効率に加えて、「子どもに目が届く」「作業しながら家族と会話ができる」「一人になれる空間がほしい」など、ニーズに合うことが一番です。
家事動線
家事動線とは、調理や洗濯、掃除など、家事をする際に、家の中を人が移動する動きを、ラインとして表すものです。人の移動をラインで表したものを、「動線」といいます。住宅内の「動線」には、家事動線のほか、日常生活での移動を表す「生活動線」があり、また、介護などに伴う移動は「介護動線」と呼びます。
家の間取りを考える上で、動線が短いほど効率がよくなります。家事動線は、効率的に家事をこなすために重要な視点です。
例えば、調理をしながら洗濯をするなど、家事は「ながら」でこなしますが、キッチン、洗面室、バスなどが直接出入りできると、移動がスムーズになります。また、洗濯機置場と物干し、取り込んだ洗濯もののアイロン掛け、収納なども、動線が短いと家事がラクになります。
また、子どもが小さいうちは、キッチンからリビングが見渡せるなど、家事をしながら子どもを見守れる配置も重要です。
現在の分譲マンションや分譲住宅では、家事動線に配慮した間取りが提案されていますが、使い勝手の良さは人によって異なります。モデルルーム見学などの際には、一日の家事を具体的に想定してみるのがいいでしょう。