屋根
やね
屋根とは、建築物を上部から覆って建物を保護するものです。
屋根とは、風雨や日射から建物を守るために、建築物を覆うように設けられた構造物です。気候や風土によって特徴があり、形状や屋根材の種類もさまざまです。
屋根の形状および屋根材を決めるうえで、基本として求められるのが、耐震性、防水性、防火性、耐久性、断熱性などです。特に木造住宅の場合には、屋根材の重量によって、耐震性を確保するために構造上、壁の量を増やす必要などもあります。また、素材によって雨漏りを起こさないための屋根の勾配も規定されます。
屋根の形状には、切妻(きりづま)、寄棟(よせむね)、
陸屋根(りくやね)、片流れ(かたながれ)、入母屋(いりもや)、方形(ほうぎょう)、鋸屋根(のこぎりやね)、バタフライなどがあります。
屋根材には、瓦などの粘土系、セメントなどを加工した化粧スレート、石を板状にした天然スレート、金属系の
ガルバリウム鋼板、銅板などがあります。
ガルバリウム鋼板
ガルバリウム鋼板は、鉄板を基材として、アルミニウム、亜鉛、シリコンからなるメッキ層を持つ、アルミ亜鉛合板メッキ鋼板です。耐久性、耐熱性、耐反射性に優れ、高度な加工もしやすいという利点があります。雨風にさらされる屋根や外壁材として使用されることが多く、カラーやデザインも豊富です。
ただし、ガルバリウム鋼板はトタンと同じように薄い板なので、雨音などに対する防音や、夏の日差しに対する断熱などは、別途対策を講じる必要があります。
陸屋根
陸屋根とは、ほとんど傾斜のない平らな屋根をいいます。ビルやマンション、鉄骨造の住宅などで採用されることの多い屋根の形です。
陸とは、平坦、水平などの意味で、屋根には瓦を葺かないため、コスト面でも安くなります。また、屋上スペースを活用することができ、太陽光発電を設置したり、屋上庭園を設けることもできます。
従来の木造住宅では、陸屋根は雨漏りしやすいという理由でほとんど採用されることがありませんでした。また、住宅瑕疵(かし)担保責任保険などでも、木造住宅では勾配屋根であることが前提とされていました。しかし、防水技術などの進歩によって、現在では木造住宅においても陸屋根を採用し、屋上に菜園などを設けることも可能になっています。