水セメント比
みずせめんとひ
水セメント比とは、コンクリートやモルタルの水とセメントの配合比率です。
水セメント比とは、コンクリートや
モルタルの主原料である水とセメントの割合で、強度を表わす指標のひとつです。
コンクリートは骨材(砂利)をセメントペーストで結合したものです(
モルタルは砂とセメントペーストを練り上げたもの)。そのため、コンクリートの強度はセメントの接着力によって支配され、特に強度を必要とするコンクリートは水セメント比が重要になります。水セメント比は、水量をw、セメント量をcとし、「w/c」の百分率で示します。水セメント比が大きいと練り混ぜがしやすく、型枠に打ち込みやすい作業場の利点がありますが、コンクリートの強度は落ちます。水セメント比が小さいほど高濃度のセメントペーストとなり、コンクリートの強度は大きくなります。
なお、コンクリートの強度は、水セメント比のほか、骨材の強度やセメントの粒径、
養生なども左右されます。
モルタル
モルタルは、セメントと砂、水を練り上げた建築材料です。耐火性があり、外壁などに使用されます。コンクリートが砂とセメントに砂利を混ぜるのに対して、モルタルは砂利が入っていません。モルタルはコンクリートほどの強度はなく、高価で、施工には熟練した技術が必要で、施工期間も長くなります。通常は、現場で材料を練り合わせて塗っていきます。手塗りのため継ぎ目がなく、外壁の王道として広く採用されてきました。一般的には、モルタルは二度塗りされ、その上に塗装などが施されます。一定以上の厚さによって、防火構造に適用できます。
モルタルの欠点は、経年変化によってクラックと呼ばれるひび割れが発生することです。これは、建物自体に生じる歪みや材料の乾燥などによるものです。ひび割れ防止の添加剤などによって改善はされていますが、ひび割れを生じなくすることは困難です。ひび割れや塗装の劣化具合により、メンテナンスが必要となります。
養生
養生とは、コンクリートやモルタルの強度を発揮させるために、打ち込みや施工の後に適度な温度や水分を保つことです。コンクリート(モルタルも)の強度は、水とセメントの中和反応によって時間をかけて発揮されます。セメントの中和反応は温度と湿度に左右され、温度が高いほど活発となり、湿潤状態にあることで中和反応が進行します。そのため、十分に硬化するまでの間、適度な温度と湿度に保ち、外力から保護する必要があります。これが養生と呼ばれるもので、打ち込み後数日間は養生シートなどをかけて保護します。
コンクリートの強度は外気温によって左右されるため、冬場には養生期間を長くする必要があります。