雁行型
がんこうがた
雁行型とは、マンションの建物の形の一つで、雁行の形に配置された造りです。
雁行型とは、マンションの建物の形の一つで、各住戸を前後に少しずつずらして建てる形式で、雁が群れで空を飛んでいくときの形に似ていることから、この名称で呼ばれています。
雁行型のマンションは、単純な長方形の「ようかん型」に比べ、どの住戸にも3面
採光が可能で、日当たりや風通し、眺望などがよくなります。ただし、方向や雁行の具合によっては、隣接住戸の影になることもあります。また、外観的に変化や個性があり、日差しによる陰影もグレード感をもたらします。ただし、雁行型マンションは建築コストが高く、供給数も多くありません。
なお、超高層マンションなどでは、中心部に
パティオや
吹抜けを設けた「三角型」の住棟配置もあります。
パティオ
パティオとは、中庭のことです。パティオ(patio)はスペイン語で中庭とか裏庭を意味します。
建物に囲まれた屋外空間で、タイルや石が敷き詰められていたり、コンクリートなどで舗装され、噴水や植栽などが配置されています。屋外で食事を楽しんだり、住人のコミュニケーションの場としても活用されます。
最近のマンションや一戸建て住宅で、建物に囲まれた形で設けた庭をパティオと呼びます。道路側からは隔てられており、人目に触れることのないプライベートな空間となります。
マンションでは住戸棟に囲まれた広いスペースにパティオを設ける例もあります。一戸建て住宅でも、パティオを配置することで効果的に光や風を取り込む方法もあり、敷地面積に余裕がある場合だけでなく、都心などの狭小住宅に採用されるケースもあります。
採光
採光とは、自然の光を窓などから室内に取り入れることをいいます。建築基準法では、住宅の居室について、居室の床面積の1/7以上の採光に有効な開口部の面積が必要と規定されています。ただし、「採光」とは直射日光のことではないので、北側の窓が「採光に有効な窓」となる場合もあります。有効な採光面積は、用途地域や部屋の大きさ、窓の大きさによって決定されます。ただし、納戸やトイレ、浴室、洗面室などは対象となりません。
隣家が迫っている住宅密集地などでは、採光を確保するために、天窓やライトコートを設けるなど、さまざまな工夫が見られます。また、日当たりを調節するには、カーテンやブラインド、反射ガラスなどを利用します。
吹抜け
吹抜けとは、2階建て以上の建物で、上階部分に床を設けずに、上下連続した高さのある空間をいいます。玄関ホールやリビングなどに吹抜け部分を設けると、天井の高さが2層以上になり、開放的な空間ができあがります。
日本の伝統的家屋では、土間や囲炉裏の上部を吹抜けとしているものがあります。洋風建築では、高い天井が好まれ、玄関ホールや建物の中心部に吹抜けを設ける例がよく見られます。
最近では、建築技術の進歩によって、ホテルやショッピングモール、大型ビルなどで、巨大な吹抜けのある建築物も登場し、開放感と同時に近未来的な雰囲気も醸し出しています。
住宅においても吹抜けを採用するケースは増えており、上部からの採光の確保や上下階で連続性を持たせるなどの効果があります。一般的には、吹抜けによって冷暖房効果が落ちますが、建物自体の断熱性を上げることでかなりカバーされるようです。