古家付土地
ふるやつきとち
古家付土地とは、経済的価値がほぼない古い建築物が立っている土地です。
古家付土地とは、土地に経済的価値がなきに等しい古い建物がついたまま販売される土地のことです。
不動産広告では、「古家付土地」「売地(古家あり)」「売地(廃屋あり)」などと表示されます。中には、
リフォームして暮らせるものもありますが、個々のケースにより、さまざまな制限があったり、予想外の費用がかかることがあるので、注意が必要です。
例えば、古家を解体撤去して、新たに建物を建てたい場合、再建築が可能かどうか事前に確認しましょう。建物が古いと、「
既存不適格建築物」になっていて、同様の規模の建物が建てられないこともあります。また、接道状況など、現在の法律に適合できるかどうか、仲介会社などから確実な回答を得ることが重要です。
解体する場合には、建物の
解体費以外にも、植栽や塀など外回りも撤去するのであれば、相当な費用がかかります。また、
敷地境界線があいまいになっていることもあり、測量が必要なこともあります。上下水道管なども、口径が十分か、引き込み工事に問題はないか、費用も含めて確認しましょう。
なお、建替えるタイミングで、1月1日時点で
更地になっているとその土地は事業用地とみなされ、
固定資産税が高くなるので注意しましょう。
古家を
リフォームして住む場合には、
建築確認図書が残っていないと、増築できなかったり、耐震改修工事の助成金申請ができないなど、問題が発生することもあります。
ただし、既存の植栽や建物を活かして、多少の
リフォームで気持ちよく暮らせるようであれば、お買い得ともいえます。
固定資産税
固定資産税とは、固定資産に課税される税金です。土地・家屋などの固定資産を所有する人に対して、市区町村(東京23区の場合は都)が課税します。
固定資産税は、毎年1月1日時点に登記簿に登録されている土地・家屋の所有者に納付通知書が送付されてくるので、一括納付または年4回に分けて納付します。1月1日時点の所有者に納税義務があるので、1年以内に売却したり家屋を取り壊した場合にも、1年分が課税されます。
固定資産税は、固定資産税課税台帳に登録された価格(固定資産税評価額)に税率をかけて計算されます。標準税率は大半が1.4%ですが、一定要件を満たす土地・家屋には軽減措置があります。また、評価額が30万円に満たない土地・20万円に満たない家屋には、固定資産税はかかりません。
なお、土地が借地権の場合には固定資産税の負担義務はありません。その代わりに地主に地代を支払うことになります。
また、中古住宅を購入したときには、1月1日時点で所有権の移転登記が完了していなければ、その年の固定資産税は全額売主が支払います。そのため、引き渡し時に按分した額を買主が支払う場合もあります。
リフォーム
リフォームとは、住宅を改築や増築することです。壁紙の張り替えなど室内の雰囲気を変える小規模なものから、トイレ、浴室、キッチンなどの設備を丸ごと取り換えたり、壁を取り払って間取り変更をするなど、大がかりなものまで幅広くあります。また、リフォームの目的も、耐震補強や高齢化に対応したバリアフリー化から、ライフスタイルに合わせた快適さを追求するものまで、さまざまです。
リフォーム費用は、既存建物の状態、リフォームの範囲や規模、採用する設備のグレードなどで大きく違ってきます。築年数が古いほどリフォーム目的も多様になり、高額化する傾向にあります。リフォームの市場が拡大するにつれ、消費者の不安を解消するために「リフォーム瑕疵(かし)保険」を利用したり、アフターサービスや保証期間を設けるなど、サービスの充実も見られます。
境界
境界とは、登記された土地の地番と地番の境界をいいます。地番は1区画ごとに一筆としてつけられ、この一筆ごとの土地の境が境界となります。
境界は塀や垣根によって仕切られていることがありますが、目印が明確になっていないとトラブルの原因となりかねません。トラブルを防止する上で、境界の位置関係を明確にすることは大変重要です。
不動産登記法では、土地の分筆の登記の申請などの際には、地積測量図の図面上に位置関係を示す境界標を表示することとなっています。境界標には、木の杭や自然の立木などもありますが、腐食や動いてしまう可能性があるものは適当ではありません。境界石やコンクリート標などの永続性のある境界標を埋設するのが望ましいといえます。
境界標を設置する場合には、測量の専門家である土地家屋調査士などに依頼するのがいいでしょう。
建築確認
建築確認とは、建物の建築工事に入る前に、その建築物が建築基準法や関連法令に適合しているかどうか、建築計画を審査することです。建築主は、工事前に、都道府県や市区町村に置かれている建築主事や指定確認検査期間に申請して、確認を受ける必要があります。
建築確認が必要なのは、特定の用途(映画館、病院、共同住宅等々)や一定規模の建築物、都市計画区域内や知事の指定区域内での建築や一定規模以上の増改築などです。
なお、マイホームを建築するときには、本来は施主が建築確認申請をしなければなりませんが、実際にはハウスメーカーが代わりに申請してくれるのが一般的です。また、新築物件の販売では、建築確認を受けていない物件は広告も販売もできません。
更地
更地とは、建物や構造物などが何も立っていない宅地で、借地権や地役権などもついておらず、購入後すぐにでも新しく建物を建てられる状態の宅地をいいます。ただし、抵当権がついていても、更地と呼びます。それは、抵当権は土地の使用収益(利用の仕方)を制限するものではないためです。また、その土地の建築基準法や都市計画法などで建ぺい率の制限があるなど、法律上の規制は当然受けますが、その場合も更地であることに変わりはありません。
なお、土地を相続した場合などに、建物を解体して、更地として売りに出すことがあります。その際、建物が立っていない(空家かどうかは関係なく)と、固定資産税は「住宅用地の特例」の対象にならないので、注意しましょう。
敷地
敷地とは、建物が立っているか、これから建物を建てる土地のことです。敷地面積は、その土地の面積のことで、水平投影面積をいいます。水平投影面積とは、土地や建物を真上から見たときの面積で、傾斜や凹凸があっても、水平として測定した面積になります。
敷地面積には、登記簿に記載された登記簿面積(地積)と実測面積が異なっている場合があります。そのため、土地の売買契約などにおいては、土地家屋調査士などの専門家による実測をしてからというのが鉄則です。
なお、住宅を建てるために土地を購入するときには、接道条件などによっては、土地面積の一部が敷地面積に算入できないので、注意が必要です。また、敷地面積だけでなく、建物の配置や駐車場のスペースなども考慮しましょう。
既存不適格建築物
既存不適格建築物とは、建築した時には建築基準法などの法律に適合していたものが、その後、法改正があったり、都市計画法が変更されたなどによって、現行の規定に適合しなくなった建物のことをいいます。
違反建築ではないので、そのまま使用しているかぎりは法的に問題ありません。また、増改築や大規模修繕などを伴わないリフォームは可能です。しかし、建て替えや、建築確認申請の必要なリフォームでは、現在の基準に合わせる必要がでてきます。
ただし、構造耐力に関して不適格となっている既存不適格建築物については、増改築部分が現行基準に適合し、既存部分が一定の耐震性能を確保しているなどの一定条件を満たせば、増改築が認められる緩和措置があります。これは、既存建築ストックの大規模改修を円滑に行うための措置です。
解体費
解体費とは、古い家を解体して更地にするための費用です。古家の解体は、新築工事の請負先に依頼するケースが多いようですが、解体業者に直接依頼する方法もあります。
古家の解体は、床面積が80m2以上の建物であれば「建設リサイクル」法の対象となり、解体事業を行える事業者は限定されています。
解体工事費には、仮設足場の組み立て、養生(ほこりの飛散を防止するため、建物の周囲を囲むなど)、建物の解体、廃棄物の分別・搬出、産業廃棄物(解体工事で出た木材など)処分、整地、近隣対策費などがあります。解体工事にかかる費用は、建物の大きさだけでなく、建物の構造や隣接する道路・隣家との位置関係、廃棄物の量などによって大幅に異なります。そのため、坪単価では算出できません。安易な見積もりでは、後から追加費用が請求されることもあるので、きちんとした現地調査に基づいた見積もりを依頼するのが賢明です。
また、解体費の相場は地域による違いもあります。在来工法の木造2階建ての場合、坪単価で2~5万円程度が目安です。
なお、解体費には家電や家具などの廃棄処分費用は含みません。家電は、家電リサイクル法に基づいた処分が必要です。
解体工事には、事前の届出などを含め一定の期間がかかります。解体業者からおおよそのスケジュールを確認し、余裕をもってみておく必要があります。