成約価格
せいやくかかく
成約価格とは、取引が成立した時、売買契約に記載される価格のことを指します。
通常、不動産広告に表記されるような販売価格は、あくまでも
売主側の希望する売出価格に過ぎません。
したがって、実際の契約時にはその成約価格が異なる可能性があります。特に、
中古住宅等の場合、値引きの結果で希望価格と成約価格が違うということは珍しくありません。したがって、買主としては売出価格を見ても値引き交渉を行う余地は十分にあるということです。
また、不動産の購入および売却時、相場となる成約価格を調査するケースがあるでしょう。成約価格の平均値を算出したものを不動産価格相場と呼びます。不動産売買時、この金額を元に取引が行われます。
しかし、不動産の成約価格は立地条件や建物の状態に応じて変動することがほとんどです。正確に算出するためには一軒ごとにどのような建物か、詳細な住所などを調べなければなりません。したがって、プライバシーの観点から見ても成約価格が開示されることは少ないのが現実です。
また、取引時点に応じても相場の波がありますから、一概に建物の価格を判断することはできません。そのため、一般的に、特に業者以外の買主の場合は不動産売買の適正価格を判断するのは難しい状況です。
中古住宅
中古住宅とは、過去に人が住んだことのある既存住宅のことです。流通物件と呼ばれ、仲介会社を通じて取引されるのが一般的です。また、未入居であっても、完成から1年以上(「フラット35」では築後2年以上)経過したものは、中古に分類されます。
日本では、住宅供給量に占める中古注宅の比率は少なく、欧米の数分の1程度です。しかし住宅ストック数の増加や高齢化を背景に、中古住宅への関心は高くなっています。
中古住宅の価格は、仲介会社などが経験を基に近隣で売買された事例と比較して提案し、それをもとに売主の意向を反映して売出価格が提示されます。しかし、中古住宅は新築に比べて物件ごとの安全性や品質、性能の差が大きく、また、売却を急いでいるかどうかでも成約価格に違いがでるなど、物件と価格の妥当性を客観的に比較検討するには、情報が不十分だといわれてきました。これに対して、住宅性能表示制度を利用した評価など、客観的な情報を積極的に開示するケースも出ています。
中古住宅は新築に比べて価格が手ごろなため、近年は、立地や構造に納得できる中古物件を購入して、自分好みにリフォームする人も増えています。売り手と買い手の双方が納得できる客観的基準の提示によって中古住宅の流通を活性化させるため、既存住宅性能表示制度などが活用され始めています。
売主
売主とは、不動産取引においては、土地や建物などの不動産を売る個人または法人をいいます。購入者にとっては、売買契約を結ぶ相手です。
新築マンションや開発分譲地、建売住宅などでは、デベロッパーや不動産会社などの法人が売主となっているのが一般的です。その場合には、売主または代理会社は宅地建物取引業者であり、取引に際しては、手付金の保全義務やクーリングオフの制度などで消費者が守られています。また、仲介手数料も発生しません。
一方、中古物件では、売主は個人のケースが多くなります。その場合は、一般的に不動産会社が「媒介」することになり、仲介手数料が発生します。
まれに、登記上の所有者と売主が異なる場合、所有者の代理人が売主になっている場合、売買契約に売主ではなく代理の人が立ち会う場合などがあります。そのような例外的なケースでは、契約の前に本人確認や委任状の確認が重要となります。