公正証書
こうせいしょうしょ
公正証書とは、公証人が法律に従って作成した公文書です。
公正証書は、公務員である公証人が公証人法・民法などの法律に従って作成する公文書です。通常は公証役場で作成され、高い証明力があります。
公正証書には、金銭の賃借に関する契約、土地・建物の賃借に関する契約、遺言公正証書、任意後見契約公正証書などがあります。金銭の債権については、公正証書で支払い義務について強制執行を受けても異議がない旨の条項を定めておくと、裁判所の判決などを待つことなく、直ちに強制執行の手続きに移ることも可能です。
なお、公証役場は全国に約300ヶ所あり、公証人は自分の所属する法務局・地方法務局の管轄外で職務を行うことができません。しかし、管轄外の住人がそこに赴いて作成してもらうことはできます。また、
定期借家契約では公正証書を作成することがあります。公正証書の作成には、当事者の
印鑑証明書などが必要となります。
印鑑証明
印鑑証明とは、届出の印鑑と同一であることを証明するものです。自分だけの印鑑であることを証明します。
印鑑登録は、個人の場合には住所のある市区町村に届出ます。印鑑登録できる印鑑には一定の制限があり、「すでに他の人が登録しているもの」「不鮮明なもの」「一部が欠けているもの」「8mm四方を下回るもの」「25mm四方に収まらないもの」「ゴム印など変形しやすいもの」などは登録できません。また、印鑑証明書は登録と同時に発行してもらえます。印鑑登録された印鑑は「実印」として使用できます。それ以外のものは、「認印」と呼ばれ、正式な文書などでは使用しません。
不動産の売買契約や車などの購入、住宅ローンの契約、不動産登記などには、印鑑証明書が必要になります。印鑑証明書を添付することで、その印鑑が本人のものに間違いないことを証明します。
定期借家
定期借家とは、契約期間の満了によって、更新のない借家のことです。通常の賃貸では、賃貸借契約によって契約期間を2年などと定めていますが、借地借家法によって借家人が保護されているので、貸主は正当事由がなければ更新を拒否できません。これに対して、2000年に改正された借地借家法38条によって「定期借家契約」が結べるようになりました。「定期借家契約」は公正証書などの書面を作成し、契約時に「期間の満了をもって賃貸借が終了すること」を明記して説明することで、期間満了時に契約を終了させることができるようになりました。
定期借家は、転勤期間中だけ自宅を賃貸に出すリロケーション物件などでよく見られます。基本的には更新ができないため(双方の合意があれば更新は可能)、通常の賃貸物件より割安になることもあり、また、契約期間内には更新の手続きも費用もかかりません。