管理規約
かんりきやく
管理規約とは、マンションの管理運営についての基本的なルールです。
管理規約とは、マンションの管理運営について定めた基本的なルールです。区分所有法によって規定された、マンション管理の憲法ともいわれる重要なものです。
管理規約には、建物の用途や区分、専有部分と
共用部分の範囲、
管理組合の業務内容、
管理組合の運営方法、総会の議決権や決議の方法、
管理費・修繕積立金の使途などが含まれています。また、ゴミ出しのルールやペットの要件など、細かいルールについては細則で定めます。
管理規約は、国土交通省が「マンション標準管理規約」を定めています。新築マンションでは、通常は
デベロッパーなどがあらかじめマンション管理規約を策定していますが、
管理組合結成後には規約を変更することも可能です。
管理規約は、マンションの住人が心地よく暮らすためのルールなので、自分たちにとって良い内容になっているか検討することや、必要なルールをお互いに再確認することは重要です。
デベロッパー
デベロッパーとは、開発事業者(Developer)のことです。大規模な都市開発や土地の造成、住宅地の造成、リゾート開発、市街地や商業地の再開発、オフィスビルや分譲マンションの建設、交通網の整備など、その事業は多岐に渡ります。
不動産開発において、デベロッパーは企画・開発の事業主体となります。土地特性や市場調査に基づいてコンセプトを練り上げ、プロジェクトを立ち上げます。そのプロジェクトを成功に導くために、設計・施工・デザインなどをトータルにマネジメントします。また、周辺環境との調和や街づくりへのコンセンサス形成なども必要となります。
不動産デベロッパーには、規模の大きな不動産会社、電力会社系、商社系、ゼネコン系、独立系などがあります。デベロッパーはプロジェクトの事業主体となるため、高度な総合プロデュース力が要求されます。
管理組合
管理組合とは、マンションの区分所有者全員で構成される団体で、建物や敷地、付属物などの管理を行うためのものです。マンションを購入すると、区分所有者は必ず管理組合に加入しなければなりません。管理組合は、マンションの管理運営に関する最高決定機関として位置付けられています。
管理組合は、マンションの共用部分の維持管理や管理規約の制定や変更などを行います。実際の管理業務を管理会社に委託する場合には、管理組合が管理会社と契約します。
区分所有者は管理組合に管理費及び修繕積立金を払い、総会においては1区分につき1人分の議決権を有します。管理組合は理事、理事長、副理事長、監事を選出し、最低でも年1回の総会を開催し、懸案事項の決議や組合運営の収支決算、予算の報告、事業計画などを決議します。
管理組合は、長期にわたって、建物と住環境を良好に維持するための重要な役割を担います。資産価値を維持する上でも、地域コミュニティの形成や心地よい日常生活の上でも、管理組合の果たす役割は大きいといわれています。
管理費
管理費とは、マンションの共用部分などの維持管理のための費用です。費用は、共用施設や設備の点検・保守、敷地や共用部分の清掃費、管理人の人件費、共用部分の水道光熱費、損害保険料、管理組合運営費または管理会社への委託手数料などです。費用を1戸当たりの月額に割り振って、マンションの区分所有者が管理組合に支払います。
管理費は月額2万円前後が一般的ですが、管理の内容によって金額は異なります。マンションの中には、住民が持ち回りで清掃などを行って、管理費を節約しているケースもあるようです。
なお、マンションの維持管理に必要なものとして、長期的な修繕費用がありますが、こちらは修繕積立金として積み立てます。
賃貸マンションなどで、家賃と別に共用部分の維持管理費として支払うものも、管理費または共益費といいます。
共用部分
共用部分とは、マンションやオフィスビルなどの区分所有権建物で、区分所有者全員のための施設や付属部分のことです。専有部分以外のすべてが共用部分として扱われます。
具体的には、エントランス、共用廊下、階段、エレベーターホール、機械室、駐車場など専有部分に属さない建物のほか、メーターボックスやバルコニー、内外壁、床スラブ、パイプスペースなども共用部分として扱います。また、建物に付属するエレベーター設備、電気設備、給排水設備、インターネット通信設備、宅配ボックスなど、専有部分に属さない付属設備は共用部分となります。そのほか、管理人室や集会室など、性質上共用部分とみなされるもの、規約によって共用部分とされる部分などです。
共用部分は、区分所有権者全員で所有権を共有します。