見積書
みつもりしょ
見積書とは、建築工事費用の見積金額をいいます。ハウスメーカーやリフォーム会社から建築主や施主に提示されます。
住宅を建築したり
リフォームするときには、プランに対してどのくらい建築費用がかかるのか、見積書によって確認します。依頼先を決めるに当たって、複数の業者から相見積を取るケースもあります。初期段階の見積書は、ラフプランをベースとした「概算見積書」になるのが一般的です。その後、設計や設備の詳細が確定した段階で、工事
請負契約の前提となる本見積書(詳細見積書)が提示されます。
見積書の形式は会社によって異なりますが、建物本体にかかわる
本体工事費と、
カーポートや
門扉などの附帯設備や
地盤改良費などを分けて表示されることが多いようです。見積書によっては、設置する設備の明細やそれぞれの費用が細かく記載されているものもあれば、トータルで表示されている場合もあります。そのため、希望した設備や建材、必要な附帯工事などが見積書に反映されているか、一つひとつ確認したうえで契約するのが賢明です。
請負契約
請負契約とは、依頼者(施主)と請負人(ハウスメーカーなど)の間で仕事の内容と報酬などについて建設工事請負契約を締結します。
建設工事請負契約には、発注者(依頼主)、請負者、工事内容(建物のプラン・仕様・品質・性能などが記載された図面や見積書)、見積内訳明細、請負代金の額、支払方法、工事の開始時期、工事の完成時期、建物の完成及び検査、瑕疵(かし)担保、完成が遅れた場合や違約金の対応、発注者と請負人の間にトラブルが生じた場合の対応などが記されています。
建設工事請負契約には、設計図書などの図面や見積書が添付されます。その内容は、後々のトラブルを回避するうえで大変重要なものです。契約に先だって丁寧に内容を確認し、不明点は問い合わせるなど、十分に理解して納得した上で取り結ぶことが大切です。
カーポート
カーポートとは、屋根付き駐車スペースをいいます。
車庫やガレージには壁があり、建物の一部となっていますが、カーポートは柱と屋根で構成される簡易なものとなっています。
カーポートのデザインは、屋根の支持方法によって2つのタイプがあります。片側のみに柱を設けた片側支持タイプは、車の出し入れがしやすく、商品の選択肢も豊富です。両サイドの柱で屋根を支える両側支持タイプは、安定感があり、積雪に対して強度を発揮します。また、車1台分のコンパクトなものから、車3台分のものまで、さまざまな商品が出ています。素材やカラーなども豊富で、外構を合わせてコーディネートできます。
カーポートを選ぶ際には、利用する車の大きさ、将来を想定した台数に加え、立地環境によって積雪や強風なども考慮する必要があります。
地盤改良
地盤改良とは、建物の基礎地盤を安定させるため、地盤自体の強度を高めることをいいます。軟弱な地盤に対して、液状化や地盤沈下などによる被害を避けるために施される工事の一つです。
地盤改良の方法には、地盤の中の水を抜く方法や、地盤に地盤固化材を混ぜて固める工法があります。地盤を固める工法は、軟弱地盤の深さによって適する工法が異なります。2m以内程度と比較的浅い場合には、地盤全面にわたって元の土とセメント系固化材を混ぜ合わせて固める、表層改良工法が一般的に採用されます。軟弱地盤が深部に及ぶ場合や超軟弱地盤の場合には、セメントミルク(セメント系固化材と水を混ぜたもの)を地盤の中に注入撹拌して、柱状の改良杭をつくる杭状改良工法が選択されます。そのほか、砕石を用いる工法などもあり、さまざまな地盤改良技術の発展がみられます。
リフォーム
リフォームとは、住宅を改築や増築することです。壁紙の張り替えなど室内の雰囲気を変える小規模なものから、トイレ、浴室、キッチンなどの設備を丸ごと取り換えたり、壁を取り払って間取り変更をするなど、大がかりなものまで幅広くあります。また、リフォームの目的も、耐震補強や高齢化に対応したバリアフリー化から、ライフスタイルに合わせた快適さを追求するものまで、さまざまです。
リフォーム費用は、既存建物の状態、リフォームの範囲や規模、採用する設備のグレードなどで大きく違ってきます。築年数が古いほどリフォーム目的も多様になり、高額化する傾向にあります。リフォームの市場が拡大するにつれ、消費者の不安を解消するために「リフォーム瑕疵(かし)保険」を利用したり、アフターサービスや保証期間を設けるなど、サービスの充実も見られます。
門扉
門扉とは、正面出入口として門に設けられた扉です。建物の外観イメージを左右するもので、セキュリティ面でも重要な役割を果たします。
門扉は、建物と外部のつながり方によって、クローズタイプから、セミクローズ、オープンタイプと、堅牢さや柔らかさなどデザインが異なります。セキュリティやプライバシーを重視する場合にはクローズなイメージになり、街並みとの調和を重視する場合にはオープンなデザインとなります。
門扉の種類には、両開き、片開き、親子タイプがあり、設置スペースに合わせて選びます。
門扉の素材には、錆や腐食に強いアルミ形材が最もよく使用されます。ほかには、アルミ鋳物、アイアン(鉄)、木製、樹脂製、ステンレスなどがあります。デザインでは、格子系、スリット系、目隠し系、装飾系、パネル系などがあります。
門扉の選択には、外まわり全体との調和やセキュリティ機能などを考慮して検討することが大切です。
本体工事費
本体工事費とは、建物そのものの建設工事費で、建築コストの中心を占めます。一般的に「坪単価」といわれるものは、本体工事費を指します。
本体工事費には、大別して「躯体工事費」「仕上げ工事費」「設備工事費」があります。「躯体工事費」は、仮設工事、基礎工事、木工事などで、本体工事費の4割程度を占めます。「仕上げ工事費」は、外装工事、内装工事などで、屋根、外壁、内壁、天井などの仕上げ材や工法によって費用の違いはあるものの、本体工事費全体からすると、大きなコストの違いは出にくいところです。「設備工事費」は、キッチン、浴室、洗面などの水回りや床暖房など、設備関連の工事費です。設備機器は高機能化や省エネ対応が進み、高品質なものを選ぶほど、コストアップとなります。
なお、どこまで本体工事費に含めるかは、メーカーによって異なります。オプションの設備などは本体工事費に含めない場合もあります。
建築にかかるコストは、本体工事費以外にも附帯工事費や諸費用があります。建築費全体に占める本体工事費の割合は、7~8割が目安となります。