権利金
けんりきん
権利金とは、借地権設定の対価などの意味で支払うお金です。
権利金とは、
地代や賃料以外に、
借地権や借家権の設定の対価として支払われるお金です。賃貸借が終了しても、通常は返還されません。権利金の授受は、都市部などで広範に行われている社会的な慣習です。
権利金の性格は、
地代・家賃の一部を一括先払いするもの、あるいは、将来的な譲渡・転貸に対する事前の承認料、などとされています。
借地権の設定においては、借地割合(地域ごとに定められているもので、住宅地では時価の6~7割程度)に応じて権利金が授受されます。また、
借地権を売却するときには、権利金相当額が
借地権価格となります。
なお、税法上は、権利金は原則として不動産所得となります。しかし、
借地権や
地役権の設定対価として、地価の2分の1を超える場合は、不動産譲渡税として課税されます。
借地権
借地権とは、土地の所有者から、建物を所有することを目的として土地を借りて使用する権利のことです。賃借権と地上権のことをさします。借地権には、普通借地権、定期借地権、事業用定期借地権、建物譲渡特約付借地権、一時使用目的の借地権があります。また、借地権は賃借権か地上権かによって、売買に地主の承諾が必要かどうかなど、権利の質が異なります。
1992年施行の新借地借家法によって、借地権を持つ人が地上の建物について登記を行っていれば、土地の所有者が交替した場合などにも借地権を主張できるようになりました。また、譲渡・転貸の際の地主の承諾の代わる裁判所の許可なども認められています。
なお、普通借地権では、基本的に契約更新が可能です。
地代
地代とは、土地を一定期間使用することに対して、土地を借りた人が、土地の所有者に支払う賃料です。借地料ともいいます。地代は、土地賃借契約や借地契約によって、当事者が自由に金額を決めることができます。また、支払方法についても、月額払いや年額払いなど自由に取り決めができます。特に定めない場合には、1ヶ月ごとに月末に払えばよいとされています。
なお、地代には消費税はかかりませんが、事務所などに貸しつける場合には課税対象となります。
地役権
地役権とは、契約に定めた目的において、他人の土地を、自分の土地の便益のために使用する権利です。
例えば、他人の土地を通らなければ公道に出られないような場合に、「通行地役権」が設定されます。ほかには、他人の土地に導管を通して水を引く「引水地役権」や、他人の土地に工作物を建てないことで眺望を確保する「眺望地役権」などがあります。
地役権は、原則として当事者間の契約によって成り立ちます。地役権を設定した他の土地を「承役地」(しょうえきち)、便宜を受ける自分の土地を「要役地」(ようえきち)といいます。いったん地役権が成立すると、所有権が移転するときには、地役権は所有権に従属する形で移転します。