価格査定マニュアル
かかくさていまにゅある
価格査定マニュアルとは、不動産の適正価格を査定するための標準マニュアルです。
価格査定マニュアルとは、公益財団法人不動産流通近代化センターが作成した、不動産の
価格査定のための標準マニュアルです。
宅地建物取引業者が不動産の売却を依頼されると、その不動産について、専門的な観点から
価格査定を行います。その際、「
宅地建物取引業法」によって、査定価格の根拠を明示することが義務付けられています。この
価格査定マニュアルは、その根拠を合理的に算出する方法を示すものです。
価格査定マニュアルには、戸建住宅・土地・マンションの3編があり、それぞれのソフトにパソコンで条件入力すると、結果が自動的に算出されます。土地およびマンションでは、「事例比較方式」によって、同じような取引事例を選び、交通利便性や周辺環境等の価格を形成するさまざまな項目について比較評価し、価格を算出します。戸建住宅の建物の評価は、同程度の新築価格から経過年数や維持管理の状況に応じて減額して算出します。
査定結果は、「査定報告書」などの形で提示されるので、どの箇所がどのように評価されているか、確認することが大切です。この査定価格を基に、市場動向や、売却を急いでいるかどうかなど、個別の状況を考慮して、売出価格を決めることになります。
宅地建物取引業法
宅地建物取引業法とは、宅地や建物の取引に関して基本となる法律です。この法律は、宅地建物取引業者の免許制度を実施し、公正な取引と円滑な流通を促進するために、1952年に制定されました。略して「宅建業法」とも呼ばれます。
この法律により、宅地・建物の売買や交換、賃貸の代理・媒介を業務として行うものを「宅地建物取引業者」と定められ、宅建業免許がなければ宅地建物取引業は営むことができません。宅建業者の免許や宅地建物取引主任者の資格、営業保証金、業務などについて定められています。
宅地建物取引業者は、信義誠実に業務を行うことが原則とされ、誇大広告の禁止など各種の広告規制、重要事項の説明義務などが課されています。
価格査定
価格査定とは、土地や一戸建て、マンションなどの不動産物件を売却する際に、いくらで売れるか、売却時の適正価格を算出することです。依頼を受けた不動産会社などが、専門的な知識や価格査定マニュアルに基づいて査定します。標準的なものとしては、(公財)不動産流通近代化センターが発行する「価格査定マニュアル」があります。
不動産は、そもそも個別性が高いため、物件ごとに判断する必要があります。価格査定の基本的な方法としては、「取引事例比較法」といって、近隣の類似した物件の取引事例と比べておおよその価格を算出します。比較する取引事例は、中古マンションであれば、築年数や立地条件、マンションの規模などが類似したものが好ましい事例となります。選んだ取引事例と、階数、間取り、方位などを比較して、価格を調整します。土地であれば、土地の形・面積・方位・接道などの条件で価格を調整します。加えて、不動産価格は市場によって上下するため、取引事例と対象不動産の売却時の相場を比較して、さらに修正します。そのほか、日当たり、建物の使用状況、管理状況など、多くの評価項目を加味して査定されます。